老化すると声がでかくなる話

※ただの雑談
図解 感覚器の進化 原始動物からヒトへ 水中から陸上へ (ブルーバックス)
先日、特急電車に乗ったときの事。
特急の指定席なので追加料金を払って座席を確保してる。
しかし周囲の客は選べない。

斜め後ろ辺りにおっさん(おじいさん)の集団。
年齢は60~70歳くらいか。
一杯ひっかけてるのか、みなご機嫌(そんなに遅い時間でもない)。
あの年齢のひとは概ね声がでかい。
「しっかし今日は楽しかったよなー」
「しゃっしゃっしゃっしゃ 笑」

フルテン*1で喋る宴会場状態。
車掌が通りかかると、集団の横に座ってたらしいおばさんが呼びとめ
「すいません、席変えたいんですけど」
なんとかおっさん集団から離れようとする。
車掌と歩き去る背中におっさんのひとりが
「なんだありゃあ、気分悪いヤツだなぁ……」
いやいや、アンタの方がよほど気分悪いヤツだよ。


人間てのは自分の耳で自分の発声を捉え、ボリュームコントロールしてる。
よくコントで志村けんが老婆の格好で「あ?なんだって??」と聞こえない様子をするが、聴こえないから話す声も自然でかくなる。

人間の内耳には有毛細胞と言うモノがあって、その名の通り毛が生えてる。
細かい仕組みはWikipediaか名著『図解 感覚器の進化』でも読んでいただきたいが、有毛細胞が音(振動)を電気信号に変換する。
ところが年をとるとこの有毛細胞が減っていく*2
おまけに自力で再生する能力を持たない。

なので年をとると音が聞こえにくくなるのは必然。

こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく

ねとらぼ:確かに“読めてしまう”コピペに2ch住人が「人間すげー」と驚く - ITmedia ニュース

この「最初と最後さえあっていれば脳が補完する」機能と言うのは話し言葉にも存在していて、実は言葉を補完して知覚している。

我々の脳は、言葉の全てを明確に聴き取っているわけはない。聞こえてくる言葉の一部から、自分の語彙から「この言葉ではないか」という推測を行って、聴いた内容を補完し、言葉を認識している。

機械と共生する「サイボーグ」の肉声が聞こえる / SAFETY JAPAN [書評] / 日経BP社

年をとればとるほど言葉が聞こえにくくなるが、それでも言葉が解るのはこの脳の補完による。


今道を歩いて他オッサンの声がでかかったから思い出しただけの余談でした。
脳は面白い。


ちなみにくしゃみがでかいのは筋力が衰えるからだそうだ。

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*1:FullTen:アンプでコントロールつまみを全て最大にすること

*2:大音量で音楽を聴いてると年齢問わず減る