アイドルオタクとバカの壁

アイドルオタクと呼ばれたおとこ

「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う (青弓社ライブラリー)
以前、ブログに
「ドルオタ キモッ」
というコメントをつけられたことがありまして。
 

多くの記事で、ももクロとかアイドル語ってますからね。
こんなに語ってんだからアイドルオタクだろう、と思ったんでしょう。
f:id:paradisecircus69:20130508113255j:plain
しかし残念なことにウチは、アイドルオタクではないので(ひとつの事にそこまで夢中になれるなら素晴らしいですが)コメント発言者の
「このブログのヤツを傷つけたいぃぃぃ!」
意図関わらずまったく刺さらない斜め方向の暴投になってしまっているザンネン感が非常にトホホなわけですが*1、この
「アイドルを語る、聴いてる=ドルヲタ」
という先入観って結構根深くて、最近のAKBの例の件だったりとか、やはり「アイドルオタクが―」という思考を多く目にしたのが気になる。


VenusPeter聴いてたって「あいつ渋谷系かよ!」とは言われないんですがね。

高校野球を応援する目線

先日、バカリズムがラジオでモノノフ(ももクロのファン)を

やたら、高校野球を応援する目線で言ってくるんですね。
『あの子達、あの頑張っている子達を応援したい』と。
で、 “それは俺も何度かの共演者として接点があるし、頑張って欲しいし、ウレロで一緒になってるあかりちゃんも女優としてすごい売れたらいいなと思うし。っていう事なんですか?” って聞いたら『まさにそうです』と。
“じゃあ、「自分の夢」はなんなんですか?” って聞いたら、『ももクロがめちゃくちゃ売れて、早見あかりちゃんが大女優になって、紅白で共演する事が夢です』って! “いや、それはももクロの夢じゃないですか!?” と(笑)

http://momoclozamurai.xxxblog.jp/archives/38201452.html

と語っていて、この
「(ももクロを)高校野球を応援する目線で言う」
っていう感覚がすごく解るのは多分、ウチがサブカル・洋楽ロックからアイドルへ片足突っ込んでるからこそ理解できることで、旧来的な(松田聖子おニャン子~初代モー娘。~)という「アイドルをずっと追いかけてるアイドルオタク」と「サブカルから応援してるモノノフ」は厳密には違うんだけれども、興味のない外野からすれば皆同じ「アイドルオタク」と言う認識でのひとまとめ*2

世間的な「アイドルを聴くようなやつ」っていうのは、部屋にポスター貼ってて、ハッピ着てペンライト振って、ずーっとアイドルが好きでアイドルと結婚したいとか付き合いたいとか、宅八郎を今っぽくしたようなそーいう感じの漠然としたイメージを持ってて、だからこの前の握手会襲撃でも
AKB商法の被害者が自分の欲望を果たせないからノコギリで特攻」
と安易に思われた。

実際には違ったわけだけど(今のところ)。

大人のオタク

この先入観というのは、なかなか普遍的で「アイドルを聴く=オタク」に直結してしまう。
だから表立って言いにくい側面がある。

釣りやゴルフを始めた人がいたとして、「あいつは釣りキチだぜ」とはならない。
「あぁ、趣味釣りなんですか?」
「いいですねーゴルフ、始めたいと思ってるんですよー」
程度。

ところがアイドルを聴いてる、ライブに行ってるなんてなると
「アイドルのライブに行くんですか……へぇ(オ、オタクだー!)」
となるし、万が一お父さん辺りがハマってしまうと発言小町辺りに
「最近、ももクロにハマってしまいました。しかし誰にも言うことができません。家族にはゴルフだと言って家を出てゴルフバッグに隠したハッピに着替えてライブ会場へ向かっています」
などと書きこみ「いい年なんだからやめとけ」と言うコメントがぶら下がり、釣り判定されるかもしれない。
だってアイドルを聴くんなら、そりゃあCD買うとかライブ行くとか自然じゃね?


趣味に年齢はないのが実際。

大人になんだから、アニメや漫画はやめて新聞を読みニュースを観なさい。
ロックなんて聴かずにクラシックを聴きなさい。
ラノベはやめて自己啓発とビジネス書を読みなさい。
……ぐへぇ。

さて大人とは何だろうな。
テンプレートをキチンとやりこなすことが大人なのかね。

子供や孫の頑張ってる姿を応援する

旧来のアイドル好きのように「自分の恋人に」じゃなく、彼女らの背負う”物語”を「高校野球を応援する目線」で応援できてしまうももクロは、だからこそオッサンでも応援できてしまうし、胸を張って「ももクロにハマりました」と宣言してしまえる。
「自分の恋人に」「結婚したい」という目線で見てないから言えるのであって、だから語りたがる方も多い。
子供や孫の頑張ってる姿を応援する、そういう心情に近い。
外からすれば「アイドルオタクなんて皆同じ」。
だが応援の捉え方が旧来のドルヲタ像と違うと本人は思ってる。

AKB辺りの「○○の方がかわいい」みたいな目線だと「いい年して若い娘をそういう目で……」という気持ちになってしまうので、語れないだろうけどなぁ(小林よしのりくらいのもんだ)。

ウチにしろ洋楽好きからの視点だからこそ語れるし、比較してロック界があまりにつまらないからこそ、さまざまな外的なコンテンツを吸収し己が血肉にするなんでもアリになってしまったアイドルの面白さを語ってるわけだけれども(とはいえ戦国時代もそろそろ落ち着いてきましたが)とはいえそう言う先入観を持っている人からすればアイドル/ロック/ラップなどを同列で語っていても「アイドルを語ってるからな、興味ねーわ」で読まれない。
「アイドルが嫌いな人でもこの曲はとても~」
なんて書いてもアイドルが嫌いならはなから聴かない。

一般人が、わざわざ嫌いなジャンルの曲なんて聴かないでしょう?
ウチは、重度のサブカルなので聴きますけどね。
「しゃちほこがおマンチェ*3ですよ!!TB-303で!!アシッドハウス!!」

バカの壁と限界設定

普通に日常過ごしていれば、わざわざ先入観や差別や固定観念を自分自身で破壊しようなんて思わない。
盲信的にそれに寄り添っている方が楽に過ごせる。

思考の端を設定しておけばいい。

養老孟司は「バカの壁」と言ったけれど、自分で思考の限界設定をしてそこまでしか考えない・理解しないのは当然そのほうが楽だからであって、無限にリソースが無いのだからそれは自然な行為ともいえる。
バカがバカなのは自分で理解の限界を定めているからで、なんであれ事象を深く浅く遠く近く遡り広げ考えればそれは理解も出来る筈だが、有限のリソースは嗜好と興味ベースでしか展開しない。だから嫌いなものは嫌いなまま。


アイドルが襲撃された?そりゃあアイドルオタクの仕業だろ。
犯人がオタクだった?だからオタクは犯罪者予備軍なんだよ。
アイドルなんて聴くの?アイドルオタクなんだ?へぇ。
Mac使ってんの?iPhone?アップル信者なんだ。
は?お前ソニー信者かよ。今さら沈みかけの船でwwwwwwww

差別だろうが先入観だろうがテンプレートを使い、簡易な理解で処理すればリソースを遣わなくて済む。

まとめ


Tomato n'Pine - ワナダンス@PS2U - YouTube
ウチのiTunesは一万数千曲入ってて、ほぼ洋楽で、そのうちアイドルはももクロとトマパイしか入ってないけど(数十曲ですね)それでも
「ドルオタ キモッ」
と言われるわけですから。
ドルヲタって幸せそうだよねぇ。夢中になれるだけうらやましい。
蔑称じゃなく、尊称だとおもうけどな。


差別は良くない、先入観は良くない。

自分の頭で考えよう。

しかし、ほんとうに考えてるのかね?
自分の思考に自分で勝手に限界設定してるんならそりゃあ広がるわけもない。
偏見、差別、先入観。
狭っ苦しい思考は、そこらじゅうに転がってて毎日見かける。

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*1:キモいのは別事由によるわけですから

*2:もちろん皆がイメージするような「アイドルオタクのモノノフ」もいますけどね

*3:1980~90年代前半にイギリスで起きた音楽ムーブメントを指す俗称。サイケデリックでグルーヴ感のあるサウンドとハウス(DJ、ラップ)文化、ドラッグカルチャーが特色。マッドチェスターともいう