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高田明典「情報汚染の時代 (角川EPUB選書)」を読んでる。
読み終わったら別途書くつもりだけれど要は現代の情報化社会での「情報汚染」と言うものについて総括的に考えよう、という中身。
すべての情報は、「データ+意図」という構造を持っている。純粋にデータのみで構成されている情報は存在しない。
(中略)
私たちが何かを知るとき、その何かは、必ずなんらかの経路を経由してもたらされるということである。そしてそのとき、経路には人間が配置されており、その人間の意図が混入することになる。第二章 情報汚染はどう発生するのか
これを読んでいるとさまざまな案件が思い出されて、TWITTERデマだの、放射脳だの、スピリチュアルだのア○ウェイだのミッフィーだのFacebookでのサロン商法とか、あるいははてなで横行するプロの自己啓発屋とか(典型的なメルマガ・情報商材目的の自ブログがウケなかったのにhatenaで開眼して、ビジョンだのミッションだの読書で学ぶだなんだまったく困ったものですがね。そんなのをホテントリ入りさせる連中が)具体的にいろいろ思いつくというのは、それほどそういう業界が活発であり、動きが目に見えているからなのだろう。
ただ情報の「汚染」と言うのは、何も間違った情報だけではなく、恣意的に数字を抜き出して意図する方向へ誘導したり(下記例 参照)あるいはそれっぽい甘ったるい耳心地のよい言葉を並べたて人心を籠絡してのける連中も含まれてる。
経団連や新自由主義の学者は「国際競争力のために人件費を払わない(削減する)んだ」としつこく言うが、日本だけが下げ続けた結果良くなったんですか?とこのグラフを突きつけながら言いたい。「欲しがりません勝つまでは」の時代と変わらんよ! pic.twitter.com/L8cK98cY0y
— 三沢文也 (@tm2501) 2014, 5月 29
・オーストラリアのやよい軒の定食メニューの価格が2500円である件について - お前のことが好きやったんや
もちろんそこに意図があるわけです。
タダで何の得も無しで「君たちの人生に役立つ真理を教えるよ★」なんてヤツぁいない。
販売それは宗教である
宗教には、興味がないと言う。
スピリチュアルだの新興宗教と言うと眉をひそめる。
しかしビジネスだ、ライフハックだと聞くと途端に跳びつく。
でも本質は、恣意的にパッケージし直しただけの歪んだ情報の集合。
宗教じゃない?
あぁ、そーですね。情報商材とかですね。
今は、マルチ商法じゃなくネットワークビジネスって言うんでしたっけ。
歪んだ情報に慣れれば歪んだ論理を構築し歪んだ情報以外受け付けなくなる。
ひとは信じたいものだけ信じる。
否定するより信じたい。
どこぞの新興宗教の信者が「我々は正しい」と叫んでるのをバカにして見てたやつが、いつの間にか同じロジックにハマる。
ネットで繋がる前。
情報商材系の業界はカモを得るために街角で声をかけ、ポストに餌を撒き、出版しさまざまに導線を作ってた。
でも今やネットがあるから簡単にカモが集まる。
いい時代ですね。
ピラミッドの頂点にとっては。
情報が多く、多すぎるが故にその情報を取捨選択できない人間すら多くの情報に触れざるを得ない。
情報スモッグの時代
「情報汚染の時代」は、現代の「情強」に向けて(意識して)書かれた「情報汚染を総括して語る」本なので、これが本来必要な情弱には届ける意図はなく、自称「情強」こそ読むべき本になってるんだろう。
国民総リテラシー向上なんて夢物語。
ネットの上の情報は、すべて生のデータではなく誰かが意図的にアップロードしたものであり、さらされた時点で既に「データ+意図」の構造がある。
「情強」だろうが、なんだろうがどうでもよろしいが、見返りもなく提供される情報の責任の無さや保障の無さに関しても意識したうえで向き合わないといろいろとやらかしてしまうわけで、とっととどなたか自己啓発系にハマって破産でも何でもしていただいて、事件になって、騒ぎになって、この無知蒙昧で浅薄なライフハッカーズと自己啓発屋の右肩上がりなブームが終わってほしいと祈るばかりでございます。
いやー、ところでニュー○キンって素晴ら......おや誰か来たようだ。
本の感想はいずれ。