乃木坂46とアイドルと恋愛禁止
さゆりんごの恋愛(不倫)スキャンダル。
もう、ふりんご(不倫ご)とか言われて、まぁ、推しメンだったら仕方ないが。
乃木坂46松村が不倫報道を涙で謝罪 - AKB48ニュース : nikkansports.com
個人的には
「いいけどやるなら見つからんようにやれよ」
「相手の奥さんがかわいそうだが、仕事関係の相手をナンパするような男と結婚してんだから旦那の素行となると夫婦間の問題なー」
「次回十福神から外れて、復帰したときがメイクドラマかー*1」
と思ったり。
アイドルに処女性求める年齢でもないですしおすし。
乃木坂46のコンセプトと「アイドルと恋愛禁止」について考える記事。
AKBと乃木坂の区別すらつかない諸氏が多いようですので。
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アイドルと恋愛禁止と
かつてのアイドルとはディフォルメされ神格化された概念。
憧れの対象になる特殊な存在。
人の似姿をしながら、人ならざる選ばれし至高のひとならざるもの。
だから「トイレになんて行きません」と言う発言にも繋がる。
photo by Steve-kun
(※乃木坂がトップメンバーを七(十)福神という神格に例えたのは暗喩的)
女優や女性歌手は生涯できますが、アイドルを生涯やるのはとても難しい。
女優はその演技を価値に変え、歌手はその歌声を価値に変えるが、アイドルはその存在を価値に変えている。
本来であれば、歌手は仕事として「いい歌」を歌えば誰と付き合ってようがいい。
けれど「アイドル」は、人格や私生活までも強く結び付いてしまう。
プライベートな時間に何をやってるか、までも仕事の面に影響してしまう。
ずーーーーーーーーーーっと続けるなんて気が遠くなる(郷ひろみはやってるわけですが)。
アイドルという虚構を極端にディフォルメ化したグラン・ギニョールが「にしきのあきら」であり、かつての「コリン星」発言であり「トイレになんて行きません」と言う歪んだ形に繋がる。
「清純派」という幻もその一つに連なるのかもしれない。
AKBと乃木坂
乃木坂46はAKB48の公式ライバルと言うコンセプトだった。
いわばアンパンマンとバイキンマン。キン肉マンとキン骨マン。
デビュー曲「ぐるぐるカーテン」に見られる櫻の園を思わせる女子だけのセカイを覗き見る男子禁制の禁忌感。
そして恋未満の気持ちの揺らぎを歌った「おいでシャンプー」
女の子の秘密、と言ういつの時代かわからないような男子から見た清楚な女子校のイメージとギンガムチェックのふりふりの衣装で清純イメージを押し出した乃木坂。
にも拘らず世間に広く知られたニュースとして取り上げられたのは、フリフリ衣装のスカートをめくる振り付けが下品だという、乃木坂がコンセプト的に一番避けたい性的な話題だった。
なっ?
やっぱり、乃木坂46の新曲「おいでシャンプー」の振り付けのあの部分、不評だろ?
だから、会議の時に言ったじゃないか!
あれは、やりすぎだよ。
(中略)
本当はとってもキュートな振り付けなんだけど、乃木坂46のコンセプトには合わない。
制作チームが乃木坂46のコンセプトを理解していないからだと思う。
業務連絡。 ソニーミュージックの今野! なっ? やっぱり、乃木坂46の新曲「おいでシャンプー」の振り付けのあの部分、不評だろ?…
この秋元康のコメントにある「乃木坂46のコンセプト」は秘密の花園、男子には内緒の女子の秘密。
にも関わらず「スカートめくりはダメだろ」という性を連想させる悪評。
デビュー二作目にしてコンセプトはつまづいてしまう。
乃木坂46は今のアイドルには少ない「顔面偏差値で戦えるアイドル」
「体育会系のAKBと文化系の乃木坂」
「なんやかんやあるAKB48と清楚な乃木坂46」
この対立項があったからこその公式ライバルであり、なんやかんやの指原をAKBは掲げる。
ところが乃木坂46の生駒里奈がAKB総選挙で14位になり、「大組閣祭り」にてSKE松井玲奈と共にAKBと乃木坂兼任/交換留学という事態に至り、「公式ライバル」と言う設定はすっかりうっちゃられた。
不文律でプロレスファンがブックと思ってることと、ミスター高橋がぶっちゃけて本を出すのは全然違うことだってのに。
ライバルと交換ってなに?
ライバル設定は?競い合う感じはどこ?とブレブレ。
そして、ここへ来てさゆりんごのスキャンダル。
しかも不倫だ、ナンパときた日には
「なんやかんやのAKBとなんやかんやの乃木坂」
になってしまい、両方なんやかんやなんやかんや。
本来であればウルトラマンとバルタン星人だったはずが、いつの間にかウルトラマンとウルトラマンレオ、いやバルタン星人とゼットンとくらいの関係性になってしまった。
清楚?何それ?美味しいの???
AKBだろうがNMBだろうがSKEだろうが乃木坂だろうが区別なんてない。
世間の認知は、公式ライバルなんて設定のはそっちのけ。
「秋元康んところのグループ」としてしか認識されず、だからスキャンダルの少ない*2乃木坂相手だろうが「まくら営業が~」なんだかんだとAKBと変わらないヤジが飛んでる。
区別すらつかずに揶揄してる方々が山ほど。
会社にしろそうですがプロジェクトが違えば同じ社内でも違うモノなんですがね。
乃木坂は、AKBのように恋愛禁止を掲げたこともなかったですが、その辺もいっしょくた(不文律でしょうが)。
アイドルも人間である
おニャン子やモーニング娘。のように「普通の女の子がアイドルになる過程」をテレビのコンテンツにしたとき、アイドルと言う概念は引きずりおろされアイドルは人になった。
そこら辺にいる女の子と変わらないのが女性アイドル。
誰でもアイドルになれるし可能性はある。
クラスに一人はいるような、そういう娘。
トイレも行くし性欲もあるし悪態もつく。
血の通った人間としての今どきの「アイドル」が世に溢れ、地下アイドルが登場する。
「彼氏のいるアイドル」二瓶有加もアイドルですからね。
アイドルって言う看板は免許制にした方がい……。
現代、アイドルは神格化された特殊な虚構ではなく、ただのコンセプト。
しかし「アイドルとは」というプロレス的な、過去の亡霊は暗黙の概念として生きていて、いつもアイドルを応援したり現在アイドルに関心を持つ人々より、普段アイドルに関心が一切なく
「音楽業界を語る時はとりあえずAKB商法をヘイトしとけば正解」
程度の認識しかないような人ほど騒ぐ傾向。
アイドルと言う概念のファームウェアがバージョンアップされてない。
突然「アイドルってさ」と語るアイドルの概念と、現在存在する実際のアイドルが一致してないという認識がない。
よく知らないセカイのことは語らないのが吉と言うのは何においてもあてはまる話。
最後に
七~十福神(AKBでいう神7みたいな)に毎回選ばれる松村のスキャンダル。
折角、新曲ヒット祈願で富士登山やって、その放送翌週がこれか……。
次回の乃木どこ*3で「これは〇〇月〇〇日に収録しました」とかでたらちょっとやな感じかもしれない。
夢見るファンらのモラトリアムを壊さないようにやっていけるかどうか。
こっそり観察しております。
最後にアイドルの権威、waste of popさんの名文を引用して終わりにしたいと思います。
煮詰まってそういう気持ちになったらナンパされた男についていき、初見であっても手をつないだり抱き合ったりもする性質の女ですが、軽率でした、というのと、22歳にして初めて好きな人ができて本気で恋愛しかかっていましたが、やはりファンのために別れます、というのとどっちがストーリーとして正解かを判断するのは、なかなかに難しいものです。
そしてここでもやはり指原莉乃の当時から現在に至る立ち位置がいかに特異かということを思い知る。
御意。
指原莉乃と言う存在が乃木坂とのよい対立項になっていたんですがねぇ。
いろいろな面で。