エイプリルフールには、ウソをついてもよいとされる。
そこでこんな話を思いついた。
とある男が公園のベンチに座って本を読んでいる。
男の周りでは、近所のよく知る少年らが公園で隠れんぼをしていた。
鬼になった少年が懸命に探すがどうにも見つからないらしい。
そこでこっそり「あっちにいたよ」とウソの方向を教えた。
なにせエイプリルフールだ。
その少年が死んだらしい。
マンホールのフタが空いていて、そこから頭を下にして落ちたそうだ。
数日後。
公園にいると死んだ少年と隠れんぼをしていた一人がやってきて
「ボク見たよ」
と言った。
「オジサンの座ってたベンチの後ろに隠れてたんだ」
と言った。
「でもエイプリルフールだものね」
と言った。
「ウソだよ」
その少年も死んだらしい。
マンションのベランダで遊んでいて、そこから頭を下にして落ちたそうだ。
ウソはつかない方がいい。