インスタグラムと現代アートにとっての“著作権”
www.fashionsnap.com
米アーティストのリチャード・プリンスが、誰かのアップしたインスタグラム画像を、使用許可を得ず勝手に(スクショ)使用し、そこに一言加えアートとして発表したところ批判を食らってるらしいとのこと。
それに数千万とか法外な値が付く市場の方が頭がおかしい……。
中国の富裕層が現代アート買いあさってるからなぁ。
リチャードプリンスと言えば↓ソニックユース「ソニックナース」のジャケットのひと。
インスタグラムにアップされた画像にズレたコメントを残すプリンス。このおっさんやっぱイカれてる。
リチャード・プリンス 「New Portraits」 BLUM & POE http://t.co/tERIirTOeL #TABapp pic.twitter.com/jt0h4FN5sQ
— HANAFUSA Taichi (@hanapusa) 2015, 4月 17
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インスタグラムと著作権
この手のことが起きると話題にのぼる著作権とか肖像権とか。
インスタグラムと言えば過去に写真の商用利用できるような規約があって話題に。
その後、辞めるユーザも出てきて、公式が正式に否定した経緯がある。nlab.itmedia.co.jp
Instagramは規約の文章は誤解を招くものだったとし、「ユーザーの写真を売ることを意図していない」としている。ユーザーの写真を広告の一部に使う計画はないし、このような疑問を招いた条項は削除するとしている。
(中略)
同社はあらためて、Instagramに投稿された写真の所有権はユーザーにあり、同社にはないと述べている。
2012年の記事より。
ただ気になるのは冒頭のfashionsnap記事内にある
この一文なんですが、
インスタグラムに投稿された画像は転用が可能で、著作権侵害には当たらないが、
これってソースは何ですかね?
無断転載と引用は違うんだけど、その辺ごっちゃになってる。
ブログなどに公式ツールを使いインスタグラムを貼り付けるのと、その画像を使ってアートとして作品にして売るのはまた違う次元の話ですが。
「インスタグラムはフリー素材だ」みたいな、この前のアメブロの揉め事みたいなことを書いちゃっていいのかしら?
fashionsnapだけ基調が違う……。
弥勒菩薩の掌の上
で、シミュレーショニズム(広告を切ったり張ったりして……まぁ、ウォーホルが先鞭付けたようなアレ)が常道のリチャード・プリンス的には、承知の上であえてやってる筈なんで。
リチャード・プリンス炎上してるのか。写真ていう表現は、根本的に全てが「何らかからの引用である」という、その「成り立ち」へのクリティカルなアプローチなんだけどな。ただのパクリじゃない
— マルコフ (@malcov_malcov__) 2015, 5月 28
リチャード・プリンスの新作、炎上続いてます。
イギリスの新聞記事が公に「盗み」だと書いてる。
Stolen Instagram photo sells for $90,000 http://t.co/5dvH8ymYC4
— KawaseY (@jeanplastic) 2015, 5月 26
知らないわきゃあない。もしくは知ってても無視する。
知ってるからこそそれを破ることに意味がある。
お馴染み「また現代アートか」案件。
だから今回の炎上もひっくるめて
「フハハハ、炎上するとわかってたのさ、これもまたアートなのだ」
とドヤ顔できてしまう。
まるで妖怪サトリ、怖るべし現代アート。
シミュレーショニズム
頑張って炎上させたら?英語で。“@neupon08: https://t.co/UUlIMhPjwb
カオスラウンジ
いやどっちかというと会田誠みたいな現代アーティストによるアマチュア作品盗作・剽窃事案だ”
— 会田誠 (@makotoaida) 2015, 5月 24
サンプリングを意識しシミュレーショニズムを行うリチャード・プリンスは、元々がこういう“現代アート”をやってきたひとなので、過去の作品を見てもさもありなんなのですが、ユージュアルサスペクツとしてカオスラ~村上隆ラインも同じ俎上に上る。
見てきた。村上隆先生の新作は、塩村文夏先生のポートレート。左、野次られた瞬間キャプチャと右、再発防止を求めた会見キャプチャ。 pic.twitter.com/aXgTrUefrF
— つきものたたり (@tukimonotatari) 2014, 6月 27
現代アートには、既存概念をブチ壊すぜ!パンクだぜ!という嗜好がある。
犯罪にならないんなら良いんじゃね?
最悪謝ればいいんだし。著作権だの肖像権だのこまけぇこたぁいいんだよ。
一般市民のしょーもない顔とかコトバをオレら芸術家が高尚な作品に昇華してんだよ。
なんでもかんでも「炎上!炎上!」騒ぐだけのヒマなネットイナゴどもが黙ってろ。
アートってのはその踏み込んだ先に表現があるんだぜよ。
表現の自由なんだよ、どっかの素人がごちゃごちゃ言ってんなよ、と。
……ざっと、まぁ、だいたいこんな感じ。
何言ってんのか、よくわかりませんが。
個人的に「既成概念にとらわれるな」は否定しない。
どちらかと言えば好きなんですが(元々パンクですから)とはいえ
「アートのためなら世界はフリー素材なのだ」
「アートとは既成概念を破るからこそ」
みたいなことを主張するのも香ばしい。
とはいえ、アートを批判するのに法を盾にしてしまうと確かにつまらない側面はある。
でもこう考えるとどうか。
アートの境界線
たとえばデパートが勝手にインスタグラムの写真を使い広告を作ったとする。
間違いなく炎上し謝罪の流れ。
企業からすればイメージの低下は避けたい。
あるいはどこぞのバイラルメディアが無断でスクショをとって勝手にペタペタ張った。
これまた炎上するだろうが大概はスル―。
もしくはどこぞのポルノサイトがインスタグラムを使って広告を作ったら燃える。
ポルノは蛇蝎のごとく嫌われるので。
ところが同じようなものを芸術家が「これはアートだ」というと作品になる。
仮に批判されても
「炎上、どうぞどうぞ、またお前らが騒ぐだけだろ?」
と言って居直る。
ドヤ顔で芸術語るなら、商売から離れてやりましょうや、と思うが。
目的が芸術で高尚ならセーフ(?)
ポルノや商業目的ならアウト?
どーなんですかね。
権利者で無いので知りませんけど。
「アート」という概念は、あらゆる行為の免罪符じゃない。
違法行為の正当化として使われるのは気持ち悪い。
現状を追従してるだけではムーブメントは作れない。
あたりまえだのもんだみん、、、、なんだが、その辺。発信側はもとより、受信側も結構理解していない。よね。
— takashi murakami (@takashipom) 2015, 5月 27