地味なタイトルに反するトンデモな中身。
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斉藤和義に似てる主人公ヒョンド。
殺し屋として働いてる正社員。
表向きは金属関連企業の会社。
しかし裏では殺し請負を企業でやってる。
優秀な殺し屋のヒョンドは出世街道まっしぐら。
そんな中、殺した(殺しの)バイトの母親と恋に落ちるヒョンド。
そこから歯車が狂い始める……。
いろいろツッコミどころがある。
まずこの会社では全員が暗殺に関わっているんだけど、まさか面接で
「キミ、暗殺はできるかね?」
と聞くわけでもないだろうし。
入社してある時突然
「ところでウチは暗殺をやっててね。興味ある?」
と聞くんだろうか?
新入社員の歓迎会でビールを注ぎながら
「いやー、実はウチって暗殺で稼いでるんだよねー」
とかぶっちゃけ、酒の勢いで引きこむとか?
どこで引きこむのか、ものすごく気になる。
もしかすると募集欄に
資格:不問。ただし殺人に抵抗がなく刃物や銃器の扱いが得意な方
と書いてあるのかなー。
しかも退職して関係を断とうとすると殺されるらしいんだが、だったら安心して退職もできないし組織として破たんしてる。
さすがに退職後は会社として社会的に補填してあげるべきだと思うけど。
暗殺企業には、コネ入社もあるらしい。
現場叩き上げの主人公はバリバリの現場主義で、コネで入った上司は態度だけ大きい。
なんかどこでも見かける光景が……。
コネ入社の上司役はクァク・ドウォン。
「悪魔の倫理学」で殺された女性と不倫してた大学教授役のひと。
いい感じに卑屈さとKYっぷりを表現してる。
展開は予想できると思うんですが、ヒョンドは会社を辞職し決別すべく襲撃。
言ってみれば
「辞職届受け取らんなら会社ごと潰す!」
てなもんです。
演出面を見ていきますと、
ヒョンドは感情をあまり表に出さない。
なのでラスト近く車で爆走するんですが、この爆走で感情を代わりに表現してる。
ネクタイは、会社組織への帰属の象徴。
だから最初はびっしり締める。
それを緩め、外し、企業への反抗に繋がる。
この「ネクタイをどうしてるか?」で主人公と会社への帰属意識の距離を表現してる。
暗喩的には、先のないブラック企業で延々働き続ける未来のなさを感じた会社員の悲哀、ですかね。
ヒョンドの無敵っぷりがハンパなかった。