著作権侵害未満なパクりの話
最近パクりがあーだこーだという話をよく聞く。
似ているとして、果たしてどこまで似ていればそれがパクりになるか。
なんでもかんでも法廷に持ち込まれるわけじゃない。
そこまでいかないレベルのもの。
閾値は曖昧。
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アラサーvsコトコト
matome.naver.jp
峰なゆかが自身の作品「女くどき飯」を「コトコトくどかれ飯」という新しいマンガにパクられた、とツイートしたのが発端。
その後峰なゆかを中心にトゥギャリやまとめが幾つか作られてる。
峰なゆかは
実在する店で食事をしながら口説かれるシチュエーション
が自分のオリジナルで、それをパクられたとツイート。
実在する店で食事をしながら主人公が男にくどかれる漫画→女くどき飯
実在する店で食事をしながら主人公が男にくどかれる漫画→コトコトくどかれ飯←new!
おかしいだろ!!!!!!!!!!!!!
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 13
ところで「実在する店でくどく」部分だがホイチョイ「東京いい店やれる店(1994)」に似てる気がする。
マンガだからあいさつなくてもいいのかな?
「実在の店で食事を~」というエッセイ的な作品は他にも多い。
有名どころだと「孤独のグルメ」(1994)もそうだろう。
女くどき飯はドキュメントでアドリブ感が売り、こっちはフィクションでストーリーもので被ってないやん。実在の店が出てくればパクリなら、峰なゆか氏は久住先生に土下座やで
http://b.hatena.ne.jp/entry/262569016/comment/bigburn
仮に
「エッセイ風に実在の店をマンガで紹介するなんて孤独のグルメに似過ぎだ!!」
と久住昌之と谷口ジローが騒いだらどう対応するんだろう?
「そんなのわたしは知らない。似せてない」
と言いそうな気がしますけどね。
どこかしら一部が似てるからパクリだ アウト
そんな話はない。
コトコトくどかれ飯の件に関して、いま編集部の人に法的に対処できる方法はないか調べてもらってるんだけど、たぶんこういうのってほとんど法的にどうこうできるものではないんだよ……。出版社と作家の、常識とか良心とか、そういうので普通やらないじゃんこんなの……。
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 13
たぶんこういうのってほとんど法的にどうこうできるものではない
法的にパクりと呼ばれる行為ではないから。
著作権侵害ではないから、どうこうできない。
筋を通す
編集部がこういうタイトルでこういう漫画を描いてくださいと漫画家に発注することは良くあるので、田所コウさんが全く知らずに描いてる可能性は全然ある。でも、さすがにあのタイトルは、編集部が何も知らなかったはなかなかに通らないのでは。作家さん守る意味でも編集部、コメントを出して欲しいなあ
— 犬山紙子 (@inuningen) 2015, 8月 13
両方とも「実在店で主人公が男性に口説かれる」漫画で、片方が既にドラマ化済ませてて『女くどき飯』だったら、まだ始まってない新連載で『コトコトくどかれ飯』は避けたほうが普通に安全じゃん…。今から『STO』(スーパーティーチャー鬼山)ってタイトルの漫画はマズイじゃんみたいな話じゃん…。
— 中村珍 (@nakamura_ching) 2015, 8月 13
ここで言う「筋を通せ」「仁義」
法廷に持ち出しはっきりすればいい、とは言わない。
誰もそう言わない。
筋を通せ誠意ある対応をしろという話しかしない。
「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう
知的財産権 - Wikipedia
コンセプト、シチュエーション、タイトルに著作権はない。
だから筋、あいさつ、誠意という話になる。
仮に法的に制限し、権利者に独占権を与えれば他者の表現の権利を脅かすことになるかもしれない。
著作権とは、著作物のあらゆる権利の独占権ではない。
アイデアやシチュエーションのどこかがどれだけ似てれば侵害だという判定は難しい。
なにかを作り出せば、既存のなにかに似る可能性は常にある。
だからこそ法で縛るわけにはいかない。
既存の著作物に依拠して創作された著作物が,思想,感情若しくはアイデア,事実若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において,既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には,翻案には当たらないと解するのが相当である。
平成11年 (受) 922号 損害賠償等請求事件|著作権判例データベース
同じ時代に似たものを始めた → 仁義だ、筋を通せ。
単に業界の関係性、慣例、慣習。
似たものをやるならその主にあいさつ入れろや、ということ。
え、ブラよろの後に医龍出すようなものでしょ
http://b.hatena.ne.jp/entry/262569016/comment/Panthera_uncia
それ以前のレベル。
ナタリーのニュース記事を見てツイートしてる。
実際の作品を読んでツイートしたのでもない(絵柄もかなり違う)。
この段階でパクり云々叫ぶ方が香ばしい。
業界内のどこかで手打ちするのか、戦うのか知りませんけど。
パクり云々という漠然とした定義で著作権問題同等のようにすり替えるのはやめて欲しいもの。
どの程度の差かも考えずに脊髄反射で
「パクリだと!悪だ!」
と反応する人も出てきている。
面白いは正義
もしこのパクリ問題が法的にはどうにもできないもので、なので講談社側でもなんの対処もしませんよという結果になったら、私はコトコトくどかれ飯作者の田所コウさんとハツキス編集部と講談社に法的には問題のない範囲でのいやがらせをしていくことに一生を捧げるしかないのだろうか。
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 13
法的にパクったと証明できないものをパクったと叫ぶ自体が疑問。
逆に風説の流布辺りで棄損とか……。
「法的に問題のない範囲で嫌がらせ」ツイ。
直接編集部とだけクローズドでネゴすればいい。
でも法的根拠が薄いとわかってるからツイートなのかもですがね。
法未満の類似は、市場が判断する。
面白いものが売れる、パクリだろうがなんだろうが売れない三流作品は消える。
訴えるまでもなく。
わざわざ騒ぐのは宣伝にしかならないと思うけど。
こんなもん面白い、売れた方が正義。
ヨグまつvsぺろりんもそうだけど、当事者でなんとかするレベル。
峰なゆかの「アラサーちゃん」読み中。江古田ちゃんのパクりといえばそれまでだが、この漫画も意外と嫌悪感湧かない。アラサーのほうが女子受け悪そうに見えて共感できる。男子禁制。男が読んだら泣くぞ
— ミネ (@suono_III) 2014, 6月 13
そんなこと言ったらアラサーちゃんも江古田ちゃんのパクリやん?とか言ってはいけない
— まりりん (@cho_cool_dayo) 2015, 8月 13
峰なゆかはちゃんとその件の漫画を読んだ上でパクリだと指摘してんのか?読んでも無い癖にコンセプトやタイトルが似てるからってだけの理由で騒いでるんじゃないだろうな。
— milkcow (@ykykjm) 2015, 8月 13
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