安牌切ってベタ降りするティム・クックの堅実な打ち回し
「(ウチも書いたけど)新しいiPhoneだー!うおー!」という記事ばかりが並ぶのにも辟易とする。
少し引いた視点の記事をひとつ。
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隙間
iPhone SE:外見はiPhone 5sと同じ4インチながら、性能はiPhone 6sと同等。5万2800円(税別)。
Apple Watch:スポーツモデルが税別価格で6000円値下げ。「ウーブナイロンバンド」が4色発売。
iPad Pro(9.7インチ):ディスプレイとカメラが強化された小型iPad Pro。6万6800円(税別)から。
iOS 9.3リリース:新機能Night Shift、『メモ』にパスワードプロテクト実装など。
Apple TV:Siriによる検索・サジェスチョン機能などが強化
5行でわかるApple新製品発表会まとめ | ライフハッカー[日本版]
今回のアップル新商品発表会を見てると
「iPhoneSEなんてただのマイナーチェンジじゃないか!」
という指摘をする記事のアホらしさを感じる。
そりゃあそうですよ。
そんなの見たまんま。
ウェブライターでなくてもそんなことはわかる。
発表されたのはiPadProのスペックを既存のiPadと同じ大きさに叩き込んだ9.7インチiPadPro、iPhone6sのスペックをiPhone5sに叩き込んだiPhoneSE。
AppleTVの微妙なアップデート、Applepencilの交換用先っちょ、Apple Watchの交換用新バンド。
……なんというか、実に二次利用的なマイナーチェンジアイテムが勢ぞろい。
これを見て
「なんて革新性がないんだ!Appleオワター\(^o^)/」
と考える短絡的なひとはそれはそれで幸せに生きられそうな希ガス。
今回の発表、マイナーチェンジではあるが手筋の意味として、
“現行機種の底上げ”
と見るとわかりやすい。
ローエンドを担うべきiPhone5cラインというしくじり先生な黒歴史を塗りつぶし、ひたすら幻の4インチ端末を待つ眠れるiPhone5sユーザーのハードウェアアップデートを促すためiPhoneSEをドロップ。
バカでかいiPadProより小さく使いやすくApple pencilの需要も生む9.7インチiPadProはiPad自体のスペック底上げ。
Apple Watchのベルトも新たな顧客獲得というより既存ユーザー向け。
iOSのアップデートも、中身はブルーライトを減らしたナイトモードが使えるなんてイベントで発表するほどの内容じゃあない。
地味
革新性のあるなにかがあるとすれば登場するのは、次回6月と噂されるイベントWWDC16。
フラグシップモデルのiPhone7もそのときラインナップされる。
派手なWWDCに対する今回の地味な拡充・補填ラインナップ。
既存ユーザーのニーズの隙間を埋める商売。
こんな打ち筋は、アーティスト気質で派手好きなジョブズだったらやらなかったろう。
しかし経営者気質で事務屋のティム・クックならこういう地味でコツコツした打ち筋もやりかねない。
(イベントでわざわざやるクラスのことなのかどうかは知らないが)
大きな手は、狙わず断么九*1だ平和*2だので点棒をかき集めるタイプ。
今回の手筋は、安牌ばかり。
現物ベタオリ*3。
これまでの生産ラインを使い、部品だって、金型だって、ノウハウだってある程度使えそうなものは使ってしまうだろうラインナップは1台あたりのコストも抑えられ、利益率は他の機種よりも高そうに見える。
派手好き、でかい端末好きの中国市場では、SEが売れなさそうでも、6月フラグシップの7が捌ければそれなりの商売にはなるんでしょう。
底上げ底上げ。
とまれスペックと新機能だけを求めるマイナーチェンジ商売も頭打ちは目に見え。
ティム・クックに点数を逆転するほどの役満が狙えるんだか......。
最後に
SEの発表で一番喜んでるのはiPhone5s用のアクセサリ在庫を抱えてる業者でしょうけどね。
シールさえ張り替えて“iPhoneSE対応”と書けばそれでさばけるんだから。
個人的には、iTunesで大量のアプリを管理してる以上、今さら泥に行くわけにもいかず、背中が煤けたAppleの檻の中で、今回もまたクパチーノのAppleにリーチ棒ぶん投げて貢物をするわけです。
(」・ω・)」うー!
(/・ω・)/にゃー!
(」・ω・)」うー!
(/・ω・)/にゃー!
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