神や怪獣や平行次元やタイムスリップや超能力や結合人間が出てくる変なミステリまとめ(雑
異種ルールの定義だが、端的に言えば現実ではありえない事が基礎となっているミステリのこと。
そのミステリの中の世界でのみ成立していて、それがメイントリック含め世界観を構築するのに役立っている物だ。
かといって、論理的に破綻しているのではなく、そのルールに沿ってミステリ世界が構築されていて、破綻していない物が良い。
(中略)
生ける屍の死
七回死んだ男
ミステリが好きすぎて仕方ない割にこれまで読んできた特殊設定ミステリが西澤の初期作だけというのは、今ひとつ腑に落ちないけれども。
「現実ではありえない事が基礎となっている」
というなら迷路なった洋館や斜め屋敷でわざわざ殺人事件が起きてる時点で充分に「現実にはありえない」んだけれども。
この場合の異種というのをいわゆる「超常」「SF」などと定義して考えて、「折れた竜骨」などは外して。
ざっくり思いつくまま(最近、記憶力が……。
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東京結合人間/白井智之
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そこで時折結合にしくじりオネストマンという嘘をつけない人間になってしまうことがある。
そんなオネストマンが孤島に集まり、殺人事件が起きる、というトリッキーさは、かなりの異種格闘技戦。
前半は特殊な世界での援交事情。
「何を読んでるんだろう?」と思わせておいて後半、一気にミステリになり始める。
黒い仏/殊能将之
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石動シリーズの一作であり賛否両論の一作。
タイトルの黒い仏は「黒仏」がダブルミーニングでそのひとつが○○ってのは。
次作「キマイラの新しい城」ではエ○ーナル○ャンピオンを融合させるんだから、殊能氏は素晴らしい。
神様ゲーム・さよなら神様/麻耶雄嵩
超能力どころか神様が登場するミステリはあんまりない。
「神曲法廷」なんてのもあるが……。
万能の神だから事件が起きても犯人が解ってる。
分かってるが愚かな人間ごときにそれを教えない。
だから人間は推理しなきゃあならないんだが、結果は変わらない。
なにせ相手は神ですから。
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
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歪んだ創世記/積木鏡介
紙の本じゃないと意味が無いし映像化はまずされないだろう(されても面白く無い)。
主人公が目を覚ますと一切記憶が無い。
そして女性と一緒に逃げるのだが……。
唯一無二、非常に特殊でメタな作品。
舞台設定があまりにも特殊すぎてネタバレを考えると書けない。
意欲作なのにあまり推してるひとを観たことがない。
異次元館の殺人/芦辺拓
いわゆる多重世界を移動しつつ事件が起きるという西澤っぽい話。
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女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN―/森博嗣
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森のなかで孤立した城塞都市の中で殺人事件が起きるというお話。
「コミュニティの中の異なるパラダイム」という点では山口雅也「生ける屍の死」や麻耶雄嵩の「烏」っぽいかもしれない舞台設定。
森作品の中ではかなりミステリ濃度が濃く完成度も高い(他はキャラ小説濃度が濃いから)。
ミステリ・オペラ/山田正紀
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ミステリを書き、SFも書く山田正紀だからこそ書ける大伽藍。
並行次元を行き来し、さまざまなミステリの要素をごった煮にした超大作。
最後まで読んでないので面白いかどうかは知りません。
笑う怪獣 ミステリ劇場/西澤保彦
怪獣や宇宙人が出てくる時点でおかしな物語ですが、今作は特におかしい。
……基本バカミスなのでコメディ要素が強い。
どんどん橋落ちた/綾辻行人
ミスディレクションがかなり入り組んだ難解な短編ミステリ集。
いろいろ書くとネタバレになるんだけれど、かなり特殊。
アフターゼロNEO/岡崎二郎
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岡崎二郎氏の「アフターゼロ」やその続編「アフターゼロNEO」は星新一や藤子不二雄を思わせるSF短編が多いが、時折ミステリ色の強い話が混ざってる。
中でも未来社会を舞台にしたハードボイルド「もの知りの愚者たち」のようにロボットが散歩中に犬がいなくなったことから始まるミステリ的な話もなかなか読ませる。
「アフターゼロ」の大いなる眠り子シリーズもかなり面白い。
とりあえず増田は西澤氏の初期SF設定ミステリ「人格転移の殺人」「複製症候群」「瞬間移動死体」(はサスペンス色が強いが)とチョーモンインシリーズを読破するところから始めたらどうかと思うのだけれども。
自称“ミステリ好き”なんだから。
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講談社
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