ちょっと待って。長時間労働がすべての根源なの?みんなが定時帰りするようになったら日本の生産性は高まるの?少子化にストップがかかるの?仕事を通じて不幸になる人が減るの?ホント????
電通の方の自殺のときにも書きましたが、原因を労働時間のみに依拠することは間違っているし、非常に危険だと考えています。
なんかこんなに可燃性が高いと狙ってるのか?と思うけれどどうも本気っぽい。
20代のコンサルタントの卵……あぁ。
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働く権利が阻害される
電通の一件で労働問題に焦点が当たること自体はいいのだけど、「長時間労働禁止!犯罪!絶対定時!」みたいな方向に行くのは不健全だし気持ち悪いよ。伊藤計画が『ハーモニー』で描いた生府(ヴァイガメント)社会のように、全員が全員を人質としてお互い監視し合う方向に行きそう。
— Shin@Outward Matrix (@Speedque01) 2016年10月15日
労働者が残業をしないということでお互いの共通認識でいる社会が相互監視社会だ!って発想はどこから来るのか。
それはかなり気持ち悪い。
しかし、電通の事件や他にも数多ある労働者関連の問題の本質に目を向けず、「長時間労働撲滅」というわかりやすいフレーズで大衆をあおるやり方が、ぼくには気持ち悪く感じられます。
この方の考えでは「労働者関連の問題の本質」は長時間労働反対運動では解決しない、ということなのですね。
では、その本質とは何か?と。
ぼくは一生懸命働きますよ。そのほうが楽しいし人の役に立てるしお金も貰えるから。ただ、それを人に押し付けることはしない。
— Shin@Outward Matrix (@Speedque01) 2016年10月15日
だから、「長時間労働してるヤツはバカだ、犯罪者だ、危険分子だ」と排除することはやめてほしい。ぼくから働く権利を奪わないでほしい
まずこのツイートに違和感がある。
この人にとっては「自分が働きたいだけ働く権利」と「長時間労働反対」が反するらしい。
しかし長時間労働が問題になっているのは業務に対して労働力が低く、一人に対する荷重が重くなる。
そこで過剰な時間外労働が発生する。
時間外労働を生むシステム
じゃあどうして長時間労働が発生するのか?
職種によって違うでしょうが、本質的には業務量に対して労働力が足りていない。
だから一人の定時リソースで補えない。
それを解決するなら人を雇うか、効率化するか、アウトソースするか。
一番安易なのが長時間労働。
仕事で人が死ぬようなことがなくなり、かつみんながそれぞれ自分にあった働き方をできるようになればいいだけだと思う。
— Shin@Outward Matrix (@Speedque01) 2016年10月15日
全員を同じ枠にはめ込んだ時点で、どうしようもない気持ち悪さが表出する
この人が言うように「働きたい」のならそれは個人の勝手なんだから別に仕事でも見つければいい。
起業してもいいし、副業でもすればいい。
ノマドにでもなって自分で自分を縛るなら好きにすればいいんじゃ??
働きたいひとに働いてはいけないという話じゃあない、長時間労働の問題点って。
なぜこのひとの中で「働く自由=長時間労働」なのか疑問。
ぼくはどっちかというとハードワーカーです。労働時間も、おそらく平均よりは長いでしょう。でも、それでもぼくは不幸ではありません。長時間労働をしていますが、不幸ではないのです。
自分は長時間労働は苦じゃない=だから長時間労働は許されるべきだ。
いやいやいや……。
それを振りかざすのが、今の長時間労働や過労死の問題の本質なんですが「本質」といいつつ「本質」が見えてない。
それって「ボクは奴隷でも平気なんで奴隷は悪いことばかりじゃない、だって飯だって食えるんだから」とどれだけ違うの?
「痛みは始めのうちだけ、慣れてしまえば大丈夫」そんなこと言えるアナタはヒットラーにもなれるだろう
ろくでなし/THE BLUE HEARTS
本質的勘違い
この活動が過激化し、「定時帰りしないと逮捕」「どんな理由があっても休日に働いてはならない」など、今まで自由に選択できていた働き方についても規制がかかるようになったらどうでしょう。そんな世界、気持ち悪くありませんか。
長時間労働反対というのは誰が相手なのか。
長時間労働反対の対象は「長時間労働をするな!」ではなく「長時間労働をさせるな!」ではないですか?
逮捕されるとすれば雇用主、経営者、管理責任を問われるべき上司。
問題の本質が「個人が自由に働き方を選択できる」か否か?
自由に働けるひとは働けばいい。
仕事を選択できるならすればいい。
そういう人の権利を奪おうって話ではない。
それが出来ない職場環境もあるということでは?
hares.jp
このリンクを張って「こんな運動気持ち悪い」って書いてますけど、読んでないのではないかな。
2番目に、賃金引き上げと労働生産性の向上。
3番目に、時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正。
4番目に、雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題。
5番目に、テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方。
6番目に、働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備。
7番目に、高齢者の就業促進。
8番目に、病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立。
9番目に、外国人材の受入れの問題。
平成28年9月27日 働き方改革実現会議 | 平成28年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ
この「働き方改革実現会議」がベース。
自由に労働を選ぶ権利が阻害される??
今の社会は変わりつつある変革期にある。
正直、プロブロガーなんてのは感心しないけれど、それでも社畜で働くより全然マシ。
働いて努力して社会的栄達をしたいというのであればその自由は止められない。
でも労働がその程度のものになるのであればそのほうがいい。
生きるために死ぬほど働かなきゃならない、生きるために働きたいのに死ぬほど働かされるなんてやはり間違ってる。
ひとつを直したって社会の問題全てが解決するわけじゃない。
しかしひとつ直して他にしわ寄せが行けばそこを直して……を繰り返さなきゃあいつまでたってもよくなんてならないんじゃないのかね。