ハロウィンだそうですよ、奥さま&紳士淑女の方々。
ハロウィンだかヘロインだか知りませんが、ハロウィンと聞いて思い出すのが以前、松本人志がいろんな行事は許せるがハロウィンってなんやねんという話をしていて、目の前を行事が次々と通っていくジェスチャーをしつつ
「クリスマス。お前はえぇわ……バレンタイン。まぁ、お前もえぇやろ……ハロウィンちょっと待て!」
と言っていたのに。
あれが確か2000年代前半。
油断している隙にすっかりハロウィンも市民権を得てしまった。
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行事としてのルーツ云々など特に関係なく、若い人にとっては「コスプレをして騒げる日」であり、子供にとっては「扮装をして遠足したりパーティしたりする日」という受容のされ方をしているらしい。
これにはもちろん仕掛けている売り手側の思惑もあって、市場はもはやバレンタインデーに次いで1,300億超えとも言われてるのだそうだ。
www.huffingtonpost.jp
一般社団法人「日本記念日協会」の推計では、2016年のハロウィン関連商品やサービスの市場規模は、前年より10%増えて1345億円に上ると予測。クリスマスに次いで、1340億円のバレンタインデーに匹敵する規模だ。
同協会では「ビジネスチャンスととらえる企業が商品やサービスを増やし、市場は急速に拡大している。コスチュームにお金をかけて仮装を楽しむ人が増え、国民的なイベントとして定着したと言えるのではないか」とコメントしている。
ところがこの若者にも、子供にも、その親世代にも受容されたハロウィンから抜け落ちた「そこそこの年齢だが独身非リア」にとってはハロウィンなんてものはやはり無関係でどれだけ市場が膨らもうが外野。
学校に行く歳でもなく、社会で働き、周囲はオッサンばかりで、ハロウィンに騒ぐ歳でもなく、そもそも人生の中でハロウィンをスルーしてきた年月が圧倒的に長い世代。
ハロウィンと聞いてもマイケル・マイヤーズやジェイミー・リー・カーティスの絶叫くらいしか連想しないような。
ハロウィンから取り残された世代。
コスプレをして騒ぐということに意味を求めてしまい、そこに意味がないから受容することもできない。
なにせハロウィンが「コスプレをして騒ぐ日」だと定義されたのは最近のこと。
本来の形態ではないし、そこには商業的な香りしかしない。
意味がないのに騒げない。
だからと言ってこの歳でブギーマンに扮装し、夜中に女性宅を訪問し「トリック・オア・トリート お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」なんて言おうものならおまわりさんこいつですと連れていかれるだけ。
日本人ってのは、理由がなくてもパーティやれるほど器用ではなく、リッツパーティなんて誰でも彼でも気軽にひらけない。
だから何かしら理由をつけては酒が飲めると騒ぐのが伝統。
一月は正月で酒が飲めるぞ、酒が飲める飲めるぞ、酒が飲めるぞ〜♪*1
普段なら恥ずかしいコスプレプレイも「みんなで渡れば怖くない」とばかりに一斉にやってしまえば恥ずかしくないしハメも外せる。
これから毎年毎年ハロウィンは規模を拡大し、それこそバレンタインデーやクリスマスのような本来の意味から剥離したハレの日になるんだろうが、とりこぼされた世代はどこまでもそんな行事を受容できないまま過ごしていくのかもしれない。
ハロウィンに有意を見出せず、感情より理性で捉え「は?ハロウィン!?何すんの???」なんて白けてみてしまう世代ですら果たしていつかハロウィンを受容するのか。
そんなことを考えながら、今日も残業をこなしてコスプレを横目にまっすぐ帰宅。
明日はきっと何か書きます。
*1:via 日本全国酒飲み音頭/バラクーダ