突然、早川のマンガ本が電子書籍セール中(6/12まで)。
中でも高橋葉介「夢幻紳士」の「幻想篇」、「逢魔篇」、「迷宮篇」三部作が1,512円→340円という投げ売り。
当然のごとく一気買いした(連載読んでたので買ってなかったんですが)ので以下。
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夢幻魔実也
莫大な遺産を相続した"僕"の危機を救う黒服の守護天使─夢幻魔実也。不倫の果てのリドル・ストーリイ「女か虎か」、魔実也版春雨物語「木乃伊の恋」など、幻想怪奇漫画界の旗手が《ミステリマガジン》誌に連載したバラエティに富んだ連作全十二篇を収録!
ミステリマガジンで連載されていた数ページの連載をまとめた今作。
まず「幻想篇」では、遺産を相続した僕の精神が生み出した”夢幻魔実也”が危機を救うべく登場。
現実と妄想が入り交じる連作短編形式。
場末の料亭で飲み続ける夢幻魔実也を襲う奇怪な魔物たち……。愛らしい千里眼の少女を描いた「手の目」、女の執念に取り憑かれた男を救う「陰魔羅鬼」など、"魔実也版妖怪変化"連作全十二篇。『幻想篇』に続く《ミステリマガジン》連載の新シリーズ第二作!
個人的に一番好きな「逢魔篇」
次々妖怪が登場し、美しい夢幻魔実也を殺そう喰らおうと狙うが魔実也はその上を行く。
同じ場面が重複し、円環の理のようにグルグルと描かれる連作短編の物語。
夢幻魔実也の命を狙い、人々が襲いかかる。美女、外科医、少年、そして〝手の目〟。魔実也に向けられた仕組まれた殺意。その裏に隠されていた、意外な真実と黒幕の正体とは……謎と仕掛けと悪夢に満ちた複雑怪奇な夢幻版迷宮遊戯。〈新シリーズ〉ついに完結。
そして連作が繋がり、全体がひとつの物語だったことが明らかになる最終巻。
ちなみにこの作品が一番作画のクオリティが高く(もちろん、どれも素晴らしいんだが)
※夢幻紳士 迷宮篇「叫び」より
まるで砂絵のような、このムンクの叫びをベースにしたコマでもわかるが、高橋葉介の描く世界というのは絵画的で、現実も虚構もそれぞれの境界が曖昧に見える。
現実的でなくても現実であったり、あるいは虚構然としていなくても虚構だったり。
読者は自分の立脚するのがどこなのかを確認しながら読むことになる。
果たしてこれは、虚構か、現実か、妄想か。
どのコマも美しく、グロテスクで、とてもコワい。
美と醜が隣り合わせる夢幻紳士の世界観。
一気読み必至。
ちなみに早川のセール。
かなりお手頃感あるので興味がある方はドーゾ。
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