最近、小説の表紙がラノベっぽい(キャラを強調したような)表紙になってると言う無根拠なまとめ。
なんか適当なツイートをまとめて作った感じが満載にしか見えない。
まとめ主が適当なのか、わざとなのか。
ほんと書店に行かない人ばっかりなんだね……。
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ラノベ風の中身=ラノベっぽい表紙
知念実希人さんの小説探してたら表紙がラノベみたいになってて草
— temma (@temma99) 2018年3月19日
どうしてこうなった
たとえば知念実希人作品なら、
新潮社nexから出てるこのシリーズが有名。
新潮社nexってミステリとラノベ(キャラ小説)の間を狙ったレーベルなのでこう言う表紙も当然。
代表作がこれなのに最近の作品の表紙がどうかしたんでしょうか。
表紙がラノベみたいになってて草だったら最初っからずっと草ですね。
内容と合っていればいいのでは?
小説の表紙がラノベみたいになってるそうで、買いにくい人もいるらしいですね
— 孤城 (@P7l2tRpzlvxtSbU) 2017年12月17日
でも、確かこーゆー方が売り上げ伸びるって聞いたことありますし
私は堂々と買いますよ、表紙から入るタイプのクソにわかなので(⌒▽⌒) pic.twitter.com/odow7wTDYK
渡辺浩弐だぞ!
なんで一般小説の文脈で出てくるんだよ。
みんなゲーム番組観てなかったのか。
しかも作品も中野ブロードウェイ脱出ゲームなんだからこう言う表紙で何がダメなの。
もっとダサ表紙がいいとか?
しかも黒史郎って……「未完少女ラヴクラフト」の人だよ!
こっちの方がもっとラノベっぽい。
黒史郎の新作の表紙が多少、キャラっぽいからって、だからどうしたんだろう。
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
内容と一致してないとか、こんな表紙じゃおかしいよ!とかならわかるが、内容と表紙が合ってればいいのでは?
ラノベっぽい作品にラノベっぽい表紙、なのに一般小説の表紙がラノベ化しつつあるとか……実に恣意的なまとめですよね、これ。
ラノベ風表紙からの乖離
もちろん最近のミステリにもキャラが強調された表紙はある。
でもだからと言って「最近の一般小説の表紙がー」なんてろくな裏付けもないようなことを語るつもりもない。
以下は2017〜18年に発売されたミステリの中からラノベ(?)っぽいものを。
白井智之のグロ&グロミス「少女を〜」の表紙は、浅野いにお。
講談社ノベルスは、こういう絵柄も多い。
内容的に少女、あるいはJKが登場する(探偵役を担うとか)とこういう表紙になりがち。
あと表紙の絵というのはハードカバーから文庫化する時にキャラが強調された表紙になりやすくはある。
「さよなら神様」の表紙は今ひとつ合ってない感じ。
文庫の方がライトな*1層にまでリーチするからかもしれない。
とはいえ、全てが全てそういうことでもなく、真反対のパターンもあるから表紙の傾向なんて簡単には語れない。
たとえば早坂吝などは、
こうなった。
援交JK探偵&エロミスという特殊なキャラだからか、めっちゃ地味な表紙に変わってしまったパターン。
倉知氏の短編集「シュークリームパニック」の場合、ノベルスはかなりキャピキャピしていたが、
井上真偽「その可能性はすでに考えた」は特徴的なキャラが数多く登場するミステリ。
だが文庫化にあたっては、
大人しい感じの表紙になった。
もし「表紙がラノベ化しつつある」のであれば、これらは逆なのでは??
ミステリのラノベ化
どちらかというと最近の傾向はラノベっぽい表紙というより表紙が極端になりつつある気がする。
ただ「屍人荘〜」の表紙にしろ、一昔前であればもっとキャラが前に出たような表紙になった可能性はある。
一時期の西尾維新などのミステリとラノベを繋ぐファウストな作家陣のムーブメントが勢いを弱め、そういう表紙ではミステリを読む層は食いつかないと言うのがわかってきて、さらに最近の純文学ブーム(読書芸人に始まり、カズオイシグロのヒットのような)もあって、表紙絵はラノベっぽさから再び少し地味で真面目な絵が増えたように思う。
そう言う中で、作品の中身に応じてときおりキャラを強調したような表紙がある、そう言う程度でしょう。
ラノベ化ってんなら、もっと実例あげてもらわないと。
(表紙じゃなくラノベ風のレーベルが増えたってんならまだわかるが)
書店の平積みを見れば、そんな話は与太だとすぐわかると思うんですがね。
何周目かの話題の上に、大した具体例もなく、説得力に欠ける与太まとめに、300以上もコメントつくとか、何が何だか(ry
それにしても「あぶない叔父さん」の表紙はこれが限界かぁ……。
*1:ラノベを読む層ではなく普段からあまり本を読まないという意味のライト