フレッドペリーとコンバース 商標権裁判の差

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個人的には数年に一度は海外の店で買ったりするので、これもどこかで調べて見たことがあった。
体験レポは読んだことなかったが。

これに関しては、モッズ御用達フレッドペリーでも同じようなことがあり、こちらはコンバースとは異なる最高裁判断がなされた経緯がある。
比較してみるとよくわかる。



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フレッドペリー事件

まずはフレッドペリーの日本における商標権はヒットユニオン株式会社が持っている。
英国の法人FRED PERRY(HOLDINGS) LTDはヒットユニオン株式会社の子会社。
※参照:COMPANY|FRED PERRY

事件はここから。
英国のフレッドペリースポーツからライセンスを得たオシア社。
ライセンスを使い中国でフレッドペリーのポロシャツ生産を開始。

ところがライセンスには、製造地域制限条項があった。
シンガポール共和国,マレイシア,ブ ルネイ・ダルサラーム国及びインドネシア共和国。
しかし中国は制限条項に記載のない生産地。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/352/052352_hanrei.pdf

そして中国で生産されたフレッドペリーのポロシャツが日本に輸入された。
ヒットユニオンは、商標権の侵害として訴えを起こすことになった。
というのが経緯。

詳しく知りたい方は「フレッドペリー事件」でググれば詳しい記事が出てくる。


これには判決が出ている。
その中で「商標権において並行輸入が許される 3 つの具体的 要件」が示された。
曰く、

「商標権者以外の者が、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一の商標を付されたものを輸入する行為は、
(1)当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、
(2)当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、
(3)我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には、いわゆる真正商品の並行輸入として、商標権侵害としての実質的違法性を欠く。」
フレッドペリー事件:商標法 :判例紹介(商標法)|東京都港区で知的財産権のことなら虎ノ門法律特許事務所「商標・不正競争防止法相談室」

ライセンシーを受けたオシア社が製造地域制限条項外の中国で作らせたポロシャツを輸入販売した、ということは

(1)当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたもの

(2)当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するもの

上の引用部で言うなら1と2が厳しい。

商標権者であるヒットユニオン社がライセンスに準拠せず作られた製品に関して「直接・間接的に製品に関して品質管理を行い得る立場」か?といえば微妙な話。
フレッドペリーの商標権者は日本も海外もフレッドペリーならびにヒットユニオン社。
なので

当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係

と考えるのは難しいかもしれない。
ライセンス契約に違反して製造された製品を輸入している、ということでヒットユニオン社の訴えが支持された。
 
 

コンバース事件

ところがこれをコンバースに当てはめるとどうなるか。

日本でコンバースの商標権は伊藤忠が握り、海外ではNIKE。
上記引用の3要件は、成立しない。

知財高裁でも伊藤忠商事と米コンバース社の間には実質的な同一性がないと判断が出てる。
海外のNIKEが商標を持つコンバースは、日本の伊藤忠が商標を持つコンバースとは異種のもの。

日本市場におけるコンバースのオペレーションに関しては、すでに伊藤忠商事株式会社が
1999年に日本におけるアパレルとアクセサリー、2001年にシューズの商標権を取得、
そして2002年4月に伊藤忠商事全額出資のコンバースジャパン株式会社を設立
http://www.itochu-tex.net/press_release/03071401.htm

だそうですので。

伊藤忠がコンバースの商標権をまるっと買うか、まるっと売るかしかないんだろうが。
まぁ、望み薄かと。

www.rebino.com

とはいえ輸入できた方もいるらしい。
税関の目を逃れたのを「成功」と読んでいいのかどうかは微妙ですが。
まったく推奨されることでもないでしょうし。

とはいえ現状が果たして日本の消費者にとって良いのか?と問われると果たしてどうだろう。
ざっと、こんな感じです。