中年おじさんホイホイJKサイコホラー 萩原あさ美「娘の友達」

[まとめ買い] 娘の友達

SNSの自称フェミの方々が批判しているせいで逆に話題になってしまった「娘の友達」

読みもしないで批判するバカバカしい言質に意味はないですが、中身に興味が出たので買って読んでみました。
今回の騒動で逆に売れてしまうという皮肉もありつつ。

それにしても、これは怖いし、痛い。



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LINE

主人公の市川 晃介は妻に先立たれ、娘の美也は引きこもり。
会社での仕事はそれなりに順調だが、上司からは無理を言われ、部下からは信頼もされず。
そんな孤独な日常を過ごす中、偶然娘の友達 如月 古都と出会う。

これが仮に批判する連中の言うように
「中年おっさんの妄想で若い娘とウハウハなんて気持ち悪い」
展開にしたいのであれば、単純に爽やかで可愛いヒロインに惚れられまくる展開にすれば良い。
いやー、モテて困るわー、若い娘の肌をおっさんが好き放題蹂躙して...。

これ、読めば読むほど古都ってキャラの行動が不振なんですよ。
晃介っておっさんはJKごときに翻弄される役柄なので精神的にフワフワしてるキャラであるのは当然として。

まず展開を整理してみると、
・晃介は、古都のバイト先である喫茶店で出会う
・美也のひきこもりについて学校に呼び出される晃介
・プレッシャーから校舎の階段でへたり込んでいる晃介を見つけ話しかけてくる美也

ここで二人がLINEを交換する。

LINEを交換するのはいいですよ。
古都は美也の友達ですし、不登校の美也が心配なのかも知れないですから。
つか、友達なら間違いなく直接アドレス知ってると思いますが。

その後、晃介が返信しないにも関わらず美也は晃介にLINEを送る。
そもそも、ここがおかしい。

美也の友達、美也が心配でメッセージを送って来ているはずなんだが、古都のLINEの文面は、

おはようございます。美也ちゃんはお元気ですか?
今日は夕方から雨だそうですよ。お仕事頑張ってください。

ん?
美也への心配をダシにして晃介へLINEを送ってるんですよね、いきなり。

次もお店に来てくださいとか、スタンプ送ったりとか。
この時点でもうすでに古都が晃介へ近づいたのは、美也が心配なのではなく晃介が狙いなのが見える。
二度会っただけの、ただのおじさんですよ?

普通に恋愛漫画であれば「娘を心配する娘の友達と会ううちに惹かれていって」なはずなんですが、いきなりそれを飛び越え、もはや恋愛に関して枯れたおっさんを狙ってくる古都。
意図があるとしか思えないし、現実にこんなことがあれば美人局の香り。

雨の日、喫茶店の店頭。
偶然バイト終わりの古都と出会う晃介。
これは偶然だと思うんですが、その後、古都がカバンを探り「どうしよう学校に忘れて来ちゃったかな」と傘を探るシーンがある。
そして傘は見つからず晃介の相合い傘で帰ることになる。

朝、LINEで

今日は夕方から雨だそうですよ。お仕事頑張ってください。

と送ってる。
なのに傘を忘れたのは仮に天然だとしても、喫茶店で働いていて外が雨なのに気づかない、はありえない。

お客さんは濡れた傘を持って入るし、客の入りも変わる。
窓のない部屋にいるわけでもないし、事務仕事と違って雨ってのは飲食業には密接。
作為的に折り畳み傘が入っていることを隠して、晃介との相合い傘が計算であればこれもまた怖い。

ここから先もLINEを送り続ける古都。
美也への心配はどこかへ、カラオケボックスに誘い、電車での逃避行に誘い。
ウハウハどころか、モテて困るどころか、晃介がどんどん追い詰められてるのは気のせいだろうか。

毒親

古都は、確かに見た目は可愛いキャラになってる。
だが娘に土下座で謝罪させ、寝ている間にスマフォのロックを外そうと試み、娘を追跡して古都と晃介の水族館デートに現れる古都の母親の存在で色々古都の闇が見え始める。
毒親は古都を縛りつけ、古都は当然反発する。
古都の父親が登場しないのも、古都がやたらと晃介に執着する理由の一つに思えてならない。

古都が夢で見る犬のおしっこ(マーキング)も、家族を縄張りと捉えて、友達の父親にマーキングを行い自分の縄張りを補完するという暗喩にも見えたり。
古都の嗜好が「おじさんが好き」なのではなく「友達の父親だから好き」なのだとすればとても怖い(計算)。

水族館で言ってた古都がタコを好きだというのも、北斎春画を思わせたり。
吸盤で足が吸い付く感じがストーキング気質と結びついて、どえらい怖い。


まだ二巻なのでなんとも言えないですが、少なくともハッピーエンドの気配がない、破滅しか見えないチキンレースへと突入。
とりあえず誰も死ななきゃいいなーくらいの希望しか見えないですし(どう考えても晃介が社会的に追われるのは見えている)古都とその母親の狂気もエスカレートしそうな未来線。
まぁ、誰か死ぬか、血は流れるでしょうねぇ。。。
狂気が爆発したらめっちゃ怖そう。

妻は死に、娘は引きこもり会話にもならず、学校に行けば親失格と言われ、会社では上司に無茶を言われ、部下からは陰口を叩かれる。
晃介の日々はとても辛いからこそ優しくしてくれる古都に逃避したくなる。
でも最低限の倫理観で思いとどまる。
なのにそんな晃介の意思を懐柔すべく古都はグイグイ搦手で襲いかかってくる。
あえて入浴中の写真送ってくるとか、完全におっさんを誘ってますからね。
もうJKの掌の上でコロコロ転がされまくり。

ただそこに愛情じゃなく古都(やそれを作り出した周囲)の狂気が見え隠れする。
だからこそ読者には(サイコ)ホラーだとも言われてしまう。
精神的にとてもとても痛い作品なのは間違いない。
読み通すのが疲れそうですが、ともかくオススメです。

的外れ

これがもし、エロ漫画にあるような「中年なのにモテてウハウハ」だったら社会的に追われるとか娘にバレて責められるマイナス(今のところその伏線)なんて必要ないんですよ。
単に欲望を描くなら都合の良い欲望だけでいいので。
おっさんの(気持ち悪い)モテ願望を描きたいならそれ(現実)は邪魔でしかない。
どうやってこんな「若い娘に手を出して社会から追われるのが必至な上に、その相手はサイコでは?」なんておじさんに自分を重ね合わせるんですかね...。

何も読まず「キッモオ!!!」とか批判してる人は即ブロでいいと思いますよ。

娘の友達(1) (モーニング KC)

娘の友達(1) (モーニング KC)