日本でラップが流行らない幾つかの理由

anond.hatelabo.jp

Apple Musicには世界各国で人気の100曲をランキングで聴ける機能がある。俺はそれでいろんな国の曲をちょいちょいチェックしてるんだけど、圧倒的にラップ含有率が高い
そもそもダンスミュージック!って感じのが多いし、そういう感じじゃない曲でも中盤くらいで急にラップが入ってきてゲゲってなることがかなりある
それに対して日本はかなり独特で、なんつうかバンドミュージックって感じのばっかり流行ってる印象 あと他の国と比べてアメリカとかの曲の勢力がかなり弱い 16位まで自国産の曲で独占されてる国って他にないんじゃないか? 総じてガラパゴス感が強い
個人的にはラップあんまり好きじゃないし邦楽の傾向は好ましいんだけど、純粋になんでそういうことになってるのか気になる

日本でもラップはよく聞くようになったように思うが、それでも流行ってるか?と言われると違う気がする。
フリースタイルダンジョンでのラップブームもひと段落落ち着いた感じ。

以下、ちょっと考えてみますが。



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共感

日本のチャートって大概、共感される曲じゃないと売れない傾向がある。
だから同世代の女の子が共感するラブソングとかそう言う曲がチャートに居座る。

日本てのはトラック文化じゃなくてメロディ文化ですから。
カラオケで歌うとか、ボーカルがどうとか。
愛だとか、恋だとか、逢いたくて震えるだとか。
歌声に対しての評価が異様に高いので「あの曲のあのブリッジのギターがすごい」みたいな話はほとんど聞かない。
聞きたいのは「曲」じゃなくて「歌」なんですよね。

そうなるとラップってーのは歌詞があるけど歌じゃない。
メロディはあってもトラックとラップがメインだし。
そこに共感するかどうかってとまたなんか違う。
「俺は共感できるぞ!」「俺は歌うぞ!」ってマイノリティなラップのファンがが多い(マジョリティ)ならヒットチャートに入ってる。

ヒップホップ・ドリーム

Zeebraが『悪そうな奴は大体』と歌ってたがラップ好き=怖い、みたいなイメージも未だに強い。
いわゆるギャングスタラップのイメージだろうが、実際見てもラップリスナーは排他的なリスナーが多いイメージがあるし、アイドルがラップしたりするのも気に入らないと公言してたり、生半なラップは許せないし、嫌悪してたりするのもSNSなんかで見かける。

ヒプノシスマイクだって、ずっとラップを聞いてた連中からすると色々言いたいだろうけど、ラッパ我リヤだったりCreepyだったりが参加してたりガチなメンツが参加するのであまり言わないですが。
ラップ好き=ヒップホップカルチャーが好きとイコールじゃないですから、そりゃなかなか微妙。

今やCreepyNutsが売れ出してるのも「ラップなのに怖くなさそう」と言うギャップがあるからこそで、もしドープなら今みたいにタレント的な扱われ方はしない。
ももクロの深夜番組「ももクロちゃん」でラップの先生として呼ばれるのが、サイプレス上野だったりNONKYだったりするのを見てもなんかわかる。
ヤンキー度が強い、怖いラッパーは受け入れられづらい。

ライトなヤンキー

ただ三木道三とか湘南乃風ヒルクライムみたいなのが受容される要素はあるわけですよ。
一生一緒に〜とかぞっこんラブ並みにコテコテのヤンキーイズム。
ある程度ヤンキー文化を匂わせつつ、内容はベタなラブソング。

EXILEに見られるような、いわゆるライトヤンキーなカルチャーは日本のポップスにも広く根付いている。
ワンピースも同じですね。
映画「ハイ・アンド・ロー」なんてヤンキーまんま。
あれを支えた中心は若い女子ですから。

ヤンキー漫画でもそうなんだけどヤンキーvsヤンキーになった時、主人公側はいいヤンキーなわけですよ。
ヤンチャはするけど、戦うのはヤンキー相手で一般人には手を出さない。
リアルな怖さじゃなくて格好いいとか、マッチョより細くて強いとか。
見た目がイケメン、オシャレ、悪そうに見えるが意外と優しいとか。

昔流に言うなら任侠とか侠気とかと同じような文化なんですけどね。
表面上そこに「いい要素」がないと今の社会のライト層には受容されづらい。
ブリーフ一枚で拳銃乱射する「仁義の墓場」じゃウケない。

ストレートなヤンキー漫画とか、成り上がりな矢沢とか、キャロルとか。
だからやたらと男性ファンが多いじゃないですか。
男は単に侠気だけでもウケるんだけど、女性に受けるにはそこに見た目とかも必要になってくる。
ヒットチャートに入るには女子人気なんですけどね。
真逆を行ってる。

今の社会で
「甘酸辛苦をなめてやってきたが、ラップで成り上がった」
なんてサクセスストーリーを受容する層は少ないコアだけ。

BADHOPがリアルストーリーを背景に成り上がったのは素晴らしいと思うけど、そこから先のライトな層にそれが受容されるのが難しい。
「昔はガチで悪かった」と言う部分に絶対引っかかるのが今の不寛容社会ですからね。

闇営業だの、不倫だの、不潔だから二度と見たくないと言われてしまう人の失敗を受け入れない不寛容な社会で誰が悪の成り上がりを受け入れるのか。

ブレイクスルー

今後も絶対に日本でラップが流行らないとは思わないんですよ。

EXILE、ワンピースの隆盛を見てもヤンキーイズムというのはとても根強い文化基盤。
一見、ヤンキーと思わせないヤンキーイズムなら受容される。

ただ今のラップシーンは何か違う気がするんですよね。
美化されたヤンキーイズムこそがヒットの要因なのに対して今のラップシーンは美化しない生のリアルストリートが受容される市場ですから。
ラップバトルが盛り上がっても、楽曲が流行らないといけないですからね。
それにはラップに対しての世間の価値観が変わっていかないと受容は無理でしょうが。

ヒプノシスマイクみたいにリアルガチで悪くない(フィクション上の)キャラがラップをするのであればヤンキーイズム&イケメンだけが純粋培養されているわけで、そりゃあ女子にウケる。
あれはブレイクスルーになる可能性もあるので旧来のラップファンも認めてあげてほしいんですけどね。
ヌルいの嫌いな人多いですからねぇ...。

Creepyがこのまま売れていけば、あるいはって感じもありますが。
2020年どうなるか注目ですね。


ちなみにですが

出たばかりですけどAwichの新譜いいです。
トラップ好きなんですよ。

あんまり書くとラップ警察がやってきてライトリスナー叩きを始めるので、この辺で。

孔雀

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