二足歩行のガンダムは兵器ではなく現実ではロマン

robotstart.info

可動するガンダムの話題に「兵器開発」なんてコメントがついてた。
それなら大きなロボットより小さいロボットの方が現実的。
大きなロボットはある種のロマン。

ちなみに「パトレイバーイングラム)の方がガンダムより先では?」という意見も出ていたが、イングラムでも8mほどあるので10mのガンダムと難易度という意味ではそこまで大きく変わらない気もする。
どちらも実物大モックなら既に作られたことがある(どちらも見た)。

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※2019夏にお台場で撮影したユニコーンガンダム

RX78ガンダムの場合、外部装甲によって内部の機構が見えないというのも作りやすいように見える(イングラムの場合、関節部がフレームを覆うラバーで細かったりするし、自重を支えることを考えるとフォルム的に難易度高そう)。



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自律型

兵器利用なら肉体拡張としての巨大ロボット(パワードスーツの延長)より現実世界では自律型の方が進んでいる。

破壊されることを前提としてコストが安く、効果の高い兵器の方が求められるのは自明の理。
人間が操り、あるいは乗り込むタイプの兵器はどうしても訓練や怪我や体調、精神的ケアなど兵器以外のコストが無視できない。

その点、自律型兵器なら使い捨て前提で生産できてパイロット育成、維持のコストもかからない。
コントロールする必要もなく、自己判断で通信が切れても勝手に敵を殺す。
そらザンスカールがバグを使うわけです。

小さい方が兵器として現実的なのはプラレス3四郎で軍事利用の話が出た(アニメ版)昔からの伝統。
今ではドローン兵器なんてのもあるし、米軍の小型ドローンも実用化されてる。
FPSゴーストリコンを見てもドローンが兵器として優秀なのは疑いようがない。

私たちの競合相手がターミネーターを手に入れ......ターミネーターのほうが、たとえ間違った判断であろうと早く判断を下せるとわかったら、私たちはどう対応すればよいのか?
無人の兵団――AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争

アムロの操縦にガンダムが付いてこれないのでマグネットコーティングを施したエピソードもありましたが、現実を見れば敵はAI。
人間の反射速度を遥かに上回る自律兵器。
そんなのが相手になる以上、アムロレベルのパイロットを育成するよりAIの反射速度に対抗できるAI兵器を作った方がなんぼか楽。
宇宙に進出してないオールドタイプな人類にニュータープの覚醒は見込めないですから。

強化外骨格

マシーネンクリーガー グラフィックス〈Vol.1〉

肉体拡張としてのロボットの実用性や再現性を考えると横山宏のマシーネンクリーガー(懐かしのモデルグラフィックス連載)を思い出す。
宇宙の騎士伝統の人間が着るパワードスーツ、強化外骨格。
これに至っては現在、ダウンタウン浜田すらいい人にしてしまう民生用のマッスルスーツなど工事現場や介護、農作業などで簡易補助器具が既に使われている。
海外では軍でも採用され始めているとも聞く。

www.sankei.com

軍事利用という意味なら虚淵のobsoluteや士郎正宗アップルシードに登場するランドメイト、スコープドッグガサラキタクティカルアーマーなどにみられるような3m〜4m程度の大きさにこそ実用性を感じる。
いわゆるリアルロボット系のアレ(ただしコンバットアーマーはデカすぎる)。
ただ建物内の戦闘行動や白兵戦、強襲にあの大きさだと果たしてどうか?と言われるとなかなか微妙だと思うが(天井の高さや扉の大きさを考えても)野戦兵器としての運用なら可能性はあるだろう。
それにあの大きさなら既存武器の転用も効く。
コストのかかる兵士を守るという意味でも人道的*1な鎧。

民生用強化外骨格の性能の向上や普及も、兵器としてのそれに比例する未来が見えるのはなんともだが。

ロマンチスト

今のところ巨大ロボットは、大きな的にしかならない。
破壊される危険性が高いにも関わらずコストの高い兵器はナンセンス。

現実では開発、運用コストが安く応用が効いて、運用の楽なドローン兵器がもてはやされる。
大国でなくても作れる、使える。
列車砲や戦艦大和みたいなものはロマンやフィクションならいいが、実際運用となると航空兵器が発達した今、爆撃くらえば即終了。
ガンダムもまた然り。

大きいロボット、そして二足歩行というのはファンタジーでありロマン。
脚なんて飾りですと言われた偉い人は、二足歩行にロマンを感じていたのかもしれない。
ガンバスターにしろ、バイファムにしろ。
想定が地上での戦闘である以上、二足歩行はメリットよりデメリットが多い。
あれは宇宙だからこそなんですけどね(だからこそ飾りなんだが)。

もし足にこだわるなら多脚砲台みたいなものの方がよほど現実味がある(ボストンダイナミクスのロボット犬より安定感がありそうだし、何本か壊れても移動できる稼働性の高さもある)。

仮に現実に再現したガンダムで兵器としての運用を考えるなら、最低でも戦車砲の攻撃に耐えるような装甲や機動力がなければ話にならない。
あえてコストのかかる二足歩行を再現するよりプロペラで飛ばすとか、無限軌道で移動させる方がよほどコストの面でも運用の面でもメリットは多い。
なので現実的な兵器転用を考えて再現するならガンタンクの方がよほど有効だろうが、戦車の上部だけを(ガンダリウム合金もなく)再現したところで需要があるのか疑問だが。

もし再現されたガンダムを見てロマンやファンタジーじゃなく現実的な兵器を連想する人がいるなら「無人の兵団」を読んだ方がいいかも知れない。
どのようなドローン兵器が開発され、運用され、その判断や責任をどうするのか。
今やドローンが暗殺を行い、戦争の引き金にすらなりかけた。
現実はフィクションより遥かに進んでいますよ。

無人の兵団――AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争

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*1:そもそも戦場に人を送り込むこと自体が人道的ではないという指摘はさておき