アメリカから見たゲーム史「ハイスコア ゲーム黄金時代」
NETFLIXオリジナルのドキュメンタリー。
ゲーム黎明期から各回、当時の関係者のインタビューを元にゲームの歴史を追った全6回。
1.ビデオゲーム革命
2.アメリカンドリーム
3.ロールプレイング
4.ゲーム機戦争
5.格闘ゲームの新時代
6.レベルアップ
アーケードのインベーダーやパックマンから始まり、家庭用ゲーム機アタリの栄枯盛衰、欧米向けファミコンNESと対抗するセガのジェネシス売り込み合戦、ゲームにおける暴力描写とレーティング、そして3DゲームやEスポーツ。
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もちろん面白いエピソード満載なのだが、アメリカを中心としたゲーム事情なので日本人が見ると「あれ?」という部分もいくつかあった。
例えば、各話ゲームの大会とその出場者が登場するが、日本で同じような作品を作ってもゲーム大会にフューチャーはされないんじゃないだろうか。
せいぜいハドソン全国キャラバンとか、高橋名人が登場したりするんだろう。
面白いのが任天堂のゲームに関する質問を受け付けるコールセンターの存在で、日本ではファミ通や攻略本がそれを補っていたのにアメリカでは人力だったというのも興味深いところ。
浜村編集長は登場しなかった。
RPGの回ではウルティマやFFは描かれるがドラクエが描かれず、天野喜孝は登場するが鳥山明は出てこない、とか。
ミステリーハウスが出てくるのにウィーザードリーやブラックオニキスやローグがないとか。
セガの回でアレックスキッドをすっ飛ばしてソニックとジェネシス(メガドライブ)からなのは当然としても、アメフトのゲームが取り上げられるのはいかにもアメリカといった感じ。
メガドラのCMに登場するいとうせいこう氏、若い...。
格闘ゲームの回でもストIIの次に取り上げられるのがモータルコンバットなのはアメリカならでは。
ゲーム機の回でアタリとNESは登場するがPSが登場しない、なんてのも取材許可云々があったのかもしれない。
大量に発掘され話題になったATARIのE.T.の開発者も当時のエピソードを語っていたりとても面白い。
※ちなみにATARIの埋められたゲームソフト発掘は映画になってる
最終6回はスターフォックスやウルフェンシュタインやDOOMを取り上げ3Dゲーム。
5回で残酷描写(特にモータルコンバット)やレーティングの話をしてからDOOMにつなげる構成はうまい。
今や隆盛を極めるオンライン対戦の黎明にも軽く触れている。
ゲームの歴史はまだ浅く、その当時を知る人が今も存命だからこそこういったドキュメンタリーは多く作られた方がいいし、のちに資料的な価値も出る。
ダイヤルアップの当時、DOOMを配布開始したら鯖がダウンするほど。
93年ですからまだDOS-Vですかね。
序盤だけお試しできるがその後は買わなければ(3.5インチフロッピーで送られてくるらしい)プレイできないのもいわゆる課金システムの黎明期を感じさせたり。
今やダウンロード販売ですからね。
そういえば昔は、ソフトベンダータケルというものがあ(ry
ともかく通して見終わると「宮本さんは本当にすげーなー」になる。
「どこまでも際限なく飛べるのは面白くない」としてスターフォックスのゲートを通る仕組みが伏見稲荷の鳥居をモチーフにしているなんてのは面白い。
宮本さんという人はユーザーの体験をデザインするのが優れているんだろう。
もちろん繰り返すようにアタリやNES(ファミコン)、ジェネシス、APPLE IIなんかには触れているのにプレステやドラクエがごっそり抜けてる(FFは扱ってるが)辺りには違和感をかなり覚えるが、その辺を補うようなドキュメンタリー作品もあるので個人的に補完するのがいいかもしれない。
ちなみに字幕はかなり丁寧な敬語に、吹き替えは適度に口語になっていてニュアンスに違いがある。
吹き替えの方が話者の雰囲気に合っている気がする。
NETFLIXは、料金を払えば無料で観られる*1ので三浦瑠璃にムカついてAmazonプライムを解約した方にとっても一択じゃないだろうか。
もちろんお馴染み山下智久の「THE HEAD」はHULUでないと観れないのでご注意を。
*1:補足:「料金を払えば無料」という皮肉なタームもそろそろ定着してもいいと思うのだが、たまに本気で受けとる人がいるので困ったものです