テレビが雰囲気でゾンビドラマを作ってみた「君と世界が終わる日に」


https://youtu.be/gvF6tmRu68w

日本初ゾンビ連ドラ「君と世界が終わる日に」

ゾンビ作品は、低予算で作れるので海外では多いジャンルですが、残念ながら銃が少ない日本では作られづらい。
ゾンビものってのは銃で頭を吹き飛ばしてドーン、というのがキャッチーなわけです。
その辺もどう処理しているのか注目しながら見てみました。



【スポンサーリンク】



ゾンビ映画にとって銃という存在こそがマストアイテム。
もし銃がなければ刃物や鈍器が得物になる。
こうなると切断破壊、ということになって効果に予算が必要になったりする。
(以下、呼び名をわかりやすく「ゾンビ」で統一しますが「ウォーカー」など作品によって色々あります)

主人公らのグループが持ってる拳銃は回転式。
日本の場合、警官から奪うのが基本ですから当然そうなる。
どうやって手に入れたのかは描かれてませんが、最初から持ってる。

アイアムアヒーロー」みたいに日本で猟銃を最初から持ってるのは珍しい。
日本でゾンビ物をやるなら当然「メインの武器はバットや鉄パイプ、日本刀、あとは拳銃」と相場が決まってる。
自衛隊が出てきてようやく長物が出てくる。



ゾンビの設定

ゾンビ映画というのは安く作れる。
が、安い分難しい。

まずゾンビの設定ですが、これは作品によってさまざま。
歩くか、走れるか、動きは早いか遅いか。
感染は噛まれることなのかそれ以外か、引っ掻くのはセーフかアウトか。
ゾンビが優先する、使える感覚器は目なのか鼻なのか耳なのか。
夜行性か、昼間も歩くか否か。
弱点は、心臓なのか頭なのか。

たとえばダニー・ボイル28日後...」の場合、猛ダッシュで迫ってくるゾンビに、血液が目に入っただけでも感染してしまう。
返り血を浴びまくっても感染しない作品もありますからね。
ピーター・ジャクソンブレインデッド」の場合はネズミなどが媒介し、噛むことで感染するが、返り血を浴びまくってもゾンビ化はしない。

ネトフリオリジナルの韓国ゾンビドラマ「キングダム」に登場するゾンビは変わっていて、徹底した夜行性で昼間は日陰に隠れるため、家の床下にみっちり潜り込んで寝ている。
そして夜になると起きてきて襲いかかる。

さて、今作のゾンビですが、
「噛むことで感染」「ゾンビは走ってくる」
という近年オーソドックスになってきたタイプ。
「28日後」で陸上選手などを揃え、ゾンビを走らせたときは話題になったものですが。
夜になると活発に動き、設定によると「血の匂いを嗅いで追ってくる」らしい。

竹内涼真が歩くと無人の町並み。
町工場に入り込むとそこでは、ゾンビ化した工場の社長が食事中。
このシーンは「バイオハザード」の有名なシーンまんまですね。
引きの画のせいで怖くもなんともないですが...。

ゾンビはうめき声をあげて襲いかかってくる系、パワーは通常の人間程度(ゾンビは脳を100%使うので馬鹿力って設定もたまにある)。
しがみつき、噛みつきが主体。
噛まれた相手もまた感染する、この辺もベタ。
歩くときは両手を使わず、体を揺らしてやってくる、割に走るのは早い。

夜行性っぽい...割に昼でも襲ってくる。
竹内涼真にゆっくり襲ってくる、どうやら遅い。
昼も動くが夜は元気いっぱいで襲ってくる、らしい。

昼間は、外にゾンビがほとんどいない。
昼は、動かないわけじゃないが外にいる個体もあって、出会うと襲ってくる、という消極的な設定もどういう理屈なのか謎だが。

というかこの辺は雰囲気で作ってるだろう。
設定を詰めてないかも知れない匂いしかしない。


ゾンビ作品はツッコミどころが多い。
にしても、このドラマは多すぎる気がしなくもない。

夜中、閉じこもっているとバリケードを破ろうとゾンビの集団がやってくる。
昼間に血をつけるとその匂いを嗅ぎつける、、、という伏線。

さらにゾンビは、匂いだけではなく視覚や聴覚も利用しているらしい。

竹内涼真が校舎から救急車の屋根に降り、車を囲むゾンビ→「おい!おい!」と叫びながら救急車を叩く竹内涼真
→音に引き寄せられゾンビが全部片側へ→反対側から車内へ入る竹内涼真
→車内で輸血用の血液パックを手に入れる→扉を開け隣の車の屋根へ
→点滴のパックを車に投げ→矢で貫き血の匂いがした途端、竹内涼真に襲いかかっていたゾンビたちが一斉に血液パックに向かう

ってシーンがあるんですが、、、いや、流石にそれはどうなんだ、っていう。
だって竹内涼真が昼につけた血の匂いで夜に山ほどゾンビが来たってのに、その匂いより扉を叩く音優先するわ、輸血パックの血の匂いが届く前にもう車に向かっちゃうわ(輸血パックに矢が刺さった途端、ゾンビが向かっていくんですから血の匂いは光の速さですよ)。
音優先ゾンビなのにギャーギャーうめきながら襲ってますからね、、、見失うとしか思えない。

血の匂い>>ともかく音>>視覚

なのかな、これはすごいザル。
バイオならリッカーですよ、これ。
その割に体育館では登場人物と目があって、ゾンビが鳴きまくるんですよ。
見えてるのに、音がしたらそっち優先、匂いがしたらそっち...。

視覚でも嗅覚でも、都合に合わせて優先させてるような動き。


体育館にやたらゾンビがいるシーン。
主人公らがいる校舎にやってきて、襲いかかってくる、、、が、体育館ってかなり閉じ込めやすいはずなんです。
竹内涼真が弓矢で仕留めるシーンが欲しいのはわかるんですがこの辺の無理が。
扉を塞いで、油かけて焼き殺してしまえば、、、と思いますけど予算的に無理ですよね、そうですよね。

夜元気なゾンビが、教室の窓ガラスすら割らないで叩いて、主人公らのセリフ待ち。。。

にしても武器が少なすぎる。
拳銃2丁だけでウロウロする前に、バットでも包丁でも鉄パイプでも火炎瓶でもゴルフクラブでもドライバーでもあるでしょうに。
折って尖らせた棒でもいいのよ。
使わなくても最悪仕方ないので、何か持ってください。

絶望して「ゾンビになりたくないから(銃で)撃ってください」じゃないよ。
まず武器くらい持とうよ。
徒手空拳でよく歩けるな。
お前ら、自殺志願者の会か。


地上波テレビの限界

今の地上波テレビの制約でこれをやろうとしたその意気やよし、ですが作品が伴ってない。

夜の11時台、地上波ですからそんなに血も出せない、予算的にガッツリ燃やすのも難しい。
武器を持たせれば血みどろの展開ですから武器も持たずに逃げ回る。
拳銃とか弓矢とか、出血が少ない武器だとカメラワークでなんとでもなる。

なので
「なんとなくゾンビっぽい雰囲気のゾンビから生き延びるイケメンヒーローとヒロイン」
って作品になるのは見えてるわけですが、そのせいで予算以上に安く見える。
ゾンビに噛まれたのに隠してるやつとか、ベタな展開も準備済。


ゾンビものって予算の割に自由度が高く、だから面白い作品も多いジャンルなんですが、予算の割に制約が多いせいで自由に作れない結果、こうなってしまった。

キャストに金かけるより脚本とか演出に金をかけて欲しかったんですけどね。
日本は、ドラマに関して注力する部分がそもそもおかしい。
「カメラを止めるな」だってそうですけど、キャストより脚本だし、演出ですよ。
ましてや海外も意識したHuluでの放送ならキャストより作品の質に決まってるじゃないですか。
なのにねぇ。。。

ネトフリの韓国謹製「キングダム」「SWEETHOME*1」とか「#生きている」なんて非常によくできてる。
本邦のドラマにも頑張っていただきたいものですが、残念ながら日本のドラマは「視聴率の取れるキャスティングと恋愛要素」が高プライオリティなのでこうなってしまう。
「ウォーキングデッド」みたいに人間の悪性を掘り下げるとそれはそれで面白いんですが、日本のドラマの描く「人間」ってとても薄いんですよ。。。恋愛主体でやってきた弊害かも知れない。

これは途中で離脱する可能性高い...。

近年のゾンビ作品だと、「ペニンシュラ」の公開も決まってますし、「新感染 ファイナル・エクスプレス」お勧めしますよ。
「君と世界が〜」のゾンビより数十倍恐ろしい存在として描かれてる。

*1:ゾンビというより、こちらは怪物ですが