大坂なおみとマスコミと

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大阪なおみが試合後のインタビューをしたくない→大会を辞退したという流れ。

日本のTLを見ていると、


昨日は、こういう「大阪なおみはわがままだ」とか「マスコミの向こうにいるファンを蔑ろにしている」みたいな考え方が強くて「インタビューを受けるのもプロの仕事」みたいな意見が多く見かけられた。

とはいえ、テニスプレイヤーの仕事はテニスであってインタビューではない。
例えばものすごくスポーツはできるのにインタビューはまともに答えられない選手がいたとして、技術はあるので勝利はするがそのたびにインタビューを受けるのがストレスになり、そのプレーがベストにならないとする。
それでもプレーはベストを尽くし、インタビューを受けなければならないというらしい。
それが「プロ」だから。

ちなみに、

そんな主催者側のFFT会長がマスコミからのインタビューを受けず去ったというのもとても皮肉。
FFTの会長はインタビューを受ける「プロ」ではないらしく、答えなくていいらしい。


メディアというのは放送などのプラットフォームを構築し、そこで情報を流すことが生業。
ところが今やYoutubeTwitterなど、個人が発信し影響を持てる時代になった。
オールドメディアであるマスコミを通じなくてもファンに自分の声を伝えることはできる。
わざわざインタビューに応じなくても自分の声を届けられる。
マスコミの価値は、新たなパーソナル情報プラットフォームによって一気に下がった。

グラゼニ三浦大輔の時代と、現在とは環境が全く異なる。
そもそも国内の野球選手の意見と世界のテニスプレイヤーの環境を同一にされても...。
チーム戦である野球と個人戦であるテニスは別物。


なのにマスコミのインタビューを受けないと公表した途端
「インタビューを受けないということはファンを蔑ろにしている」
みたいな意見が出ることに驚く。

大阪なおみはどちらかといえば個人的なメッセージを発信している方だろうし、それこそプロ野球選手より(その内容がどうであれ)主張を発信している。
大阪なおみのファンならSNSをフォローしているだろうし、直接的にメッセージは受け取っているだろう。

逆に、個人的に色々発信している野球選手って数えるほどしかいなくね?
どちらかといえば海外で活躍している選手ほど発信していて、国内に収まっている選手ほど発信していないイメージがありますが。

なのにマスコミ相手の大本営発表こそが「重要なプロの仕事だ」などという古典的認識がまかり通っていることに驚く。
どちらかといえば以前から大阪なおみが嫌いだった人が、ここぞとばかりに叩いているように見えるんですが気のせいですかね。


マスコミは、発言や行動の一部を取り上げて恣意的に歪めて報道する。
だからこそ恣意的でなく、自分の言いたいことを伝えられるTwitterなどのプラットフォームの重要性が認識されてきている。
おかげで信憑性に欠ける陰謀論が飛び交う残念な状態になってはいるものの、プロの選手がマスコミに頼らなくても大いに自分の主義主張を、歪められることなく自分の声を聞きたい人に届けられる。
あの前田日明が、残念な陰謀論に染まりつつあるのも見ていて悲しいくらいですから。
リングスの試合振り返りとかは面白いんだけどなぁ...。

それこそ有名人がTwitterなどのメディアで発言した内容を、マスコミが後追いで報道することも多く見られるようになった。

そりゃあ今回の件に関してマスコミは叩くだろう。
自分たちの存在がコケにされたわけだから。

でも受け取り手であり消費者である我々が、選手の声を直接受け取る手段を幾つも持つ人々が
「マスコミの記者会見を受けないなんてプロ失格だ」
なんて旧時代的な認識しか持てないのは非常に残念でしかない。

それこそ自分の意に沿わない報道に対しては「マスゴミ」だのいう癖に、こういう時はマスコミの肩を持つらしい。
そもそも選手のプライベートにまで付け入るようなマスコミが、自らの内情や都合の悪いことはスルーし隠し続け、炎上しそうな記事は平然と無記名で発表するというのに、それはそれとして「インタビューに答えないのはプロ失格だ」なんてよく言えたもの。
バイトを雇い山のように二束三文のコタツ記事を配信しまくっておきながら、大上段から批判するとは、いやさすがですよ。

大坂なおみ云々ではなくって、そもそも「オールドメディアでしかないマスコミを通じなければ発表できないという時代ではない」というパラダイムシフトはとっくに起きているということなんですよ。
選手は選手として競技にベストを尽くし、それ以外の瑣事にはリソースを使わなくていいし、ファンに対しては直接的な情報の導線が存在している。

大会運営からすればメディアってのは金づるですから邪険にするわけにはいかない。
だからってそこに正当性を認めるのは観客の役割ではないはずなんですけどね。
だってファンからすれば選手が素晴らしい試合を見せることこそがまず第一で、余裕があればTwitterか何かでツイートしてくれればそれで十分なはずなんですよ。


己の国の為政者が話を逸らし、嘘をついたり、インタビューを無視したりすることの方がよほど日常的で、それでも政治家失格とも言わない方に驚く。
プロの政治家こそ国民に向けてきちんと説明すべきだと思いますが、日本の「プロフェッショナル」な政治家は、国民の生活から目を背けて利権をやり取りするばかり。
そしてメディアはそれを見て見ぬふりで尻尾を振るのが今の流行り。
テニスプレイヤーのインタビューがどーしたこーしたなんてどうでもいいですよ。
いやはや。