「韓国ゴリ押し」という批判が的外れな理由

今朝、ダラダラしながらラヴィットを観てたんですよ(在宅勤務はゆっくりできて素晴らしい)。
韓国グルメをすゑひろがりずと櫻坂の関会長が巡るってコーナーが始まって同時にTwitterハッシュタグ追ってたら、
「出たよ、TBSの韓国ゴリ押し」
って感じのツイートがありまして。
いちいちハッシュタグつけてツイートすんな(自己紹介に保守とか書いてる時点でお察し)と思ったんですが、考えてみるとこの「韓国ゴリ押し」って感覚は面白いなぁ、と。

無節操

テレビってのは毎日毎日グルメとか料理とかやってるんで、その中には多国籍な料理が並ぶ。
以下、Whataboutismは好きじゃないですが、わかりやすく、

中華料理をやってて
「出たよ、TBSの中国ゴリ押し」
とかカレー特集で
「出たよ、TBSの印度ゴリ押し」
ハンバーガー特集で
「出たよ、TBSの米国ゴリ押し」
とは言わないじゃないですか。
しょっちゅうやってるのに。

だから中華料理やカレー、ハンバーガーはもはやその国の文化から離れ「中華料理」「カレー」「ハンバーガー」という意識になってしまっている。
ラーメンに至っては中国じゃなくすっかり日本の料理として意識されてる。
だから和風の看板でも、和風の名前でも、和風の店構えでも違和感がない。
それが「馴染む」っていうことで。

そもそも韓国だけやたら敵視して韓国だけ違和感を感じる人々がおかしい。
日本の文化ってのは今や多国籍で闇鍋状態。
前述したすゑひろがりずのやる日本語変換だって、街中に英語が溢れてるからこそ無理やり日本語化しておかしくなるのが面白い。
欧米の文化がすっかり浸透しまくり、中国料理だって取り込み、イタリアンも、ネパールもインドもスリランカも。
最近ではスーパーの棚にハリッサ*1やサテトム*2が並んでますからね。
そこら辺のファストフードでシュクメルリが食べられるのは無節操だからこそですよ。

和食以外食べない、英語も使わない、日本の文化だけで生きる、って今の世の中難易度高過ぎ。
だからこそ「文化の盗用」という概念は日本人に理解が難しい。

文化の盗用

欧米を始めとする支配的な立場にある文化が、マイノリティーの文化を使用し、“わが物化”してしまうこと。まず、欧米の先進国出身のデザイナーに比べて、アフリカやアジアなどの地域のデザイナーは活躍の機会が少ない。だからこそ特定の文化を扱ったデザインは当事者がまず使用できる環境にあるべき、という考えが前提にある。
文化の盗用になる原因が、
1.文化の使用者と当事者の経済的・文化的パワーバランスが不均等であること、
2.使用者のみに金銭的利益が生まれ、当事者が除外されていること、
3.その文化を持つ人々や文化そのものを間違って表現していること、ステレオタイプを助長していること、など。

つまり、さまざまな要因が重なり合って起こる社会課題である。
「文化の盗用」って何を盗んでいるの? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.7 - WWDJAPAN

※改行、強調部引用者
こうやって見ると、文化の盗用っていかにも米国らしいエゴ剥き出しの理屈なんですよね。
マイノリティに優しいんだろうけどそこに「世界一位の大国」ってエゴが隠しきれない。


先日、キム・カーダシアンが自身の下着ブランドにKimonoと名付けたところそれを「文化の盗用だ!」と大バッシングを受けブランド名を変更した事件があった。
でもこれって引用した3つでいうと2と3はまだしも、

1.文化の使用者と当事者の経済的・文化的パワーバランスが不均等であること、

これって日本の方がアメリカより文化的に(アメリカの認識として)遅れてるってことでいいんですかね?
どちらかといえば文化の盗用というより「ブルジョアのキム・カーダシアンが勝手に日本のキモノって名前を使った」ってことにムカついた人々が文化の盗用って言ってね?って感じがするんですよ。

歪めて使ってしまうからこそ文化の盗用って概念がおかしくなる。
本邦の「フェミニズム」って概念が、クレーマーの都合のいい道具に成り下がっているように。
金カムの文化の盗用批判にしろ(ry

日本初上陸

閑話休題
話がずれましたが、韓国のグルメってそもそもテレビと相性がいいんですよ。
名店なんてコスれるだけコスってるし、目新しいものが欲しい。
そういう時にやたら「初上陸」の看板提げた韓国グルメってのはどこもコスってないし、若者には韓国ブーム来てる。
テレビは新しいものがやたら好きですから取り上げて当然。

韓国のグルメってブームの流行り廃りがとても早いんですよね。
めちゃくちゃ流行って一気にブームが過ぎる。
韓国では、一時期のチキンブームなんて脱サラしてチキン屋始める人が多かったらしいですけど、せっかく店を開いたらすっかりブームも過ぎて...なんてこともあったらしい。
日本に上陸させるってのはある種、ブームが過ぎた時の保険でもある。
日本も確かに流行り廃りは激しいですけど韓国ほどじゃないので。

だからあざとくてケバケバしい尖った(韓国で流行してる、していた、廃れた)グルメが日本に上陸して、保守的な中高年そっちのけで好奇心旺盛な若者に刺さる。
ラヴィットで紹介してた料理も鍋にクリーム入れてましたからね。。。

先日、日本初上陸の中華チェーンとして沙県小吃が紹介されてましたけど、2018年に高田馬場に出店してるんですよね。
確かに初上陸ではあるんだけどもう四年...。

そのくらい「日本初上陸」の看板下げてやってくる新しい、これまでにない料理って他の国だとあんまりないんですよ。
韓国はやたらアレンジしたのがあるのでしょっちゅう「新しい」グルメが来る。
新大久保って受け皿もありますからね。

テレビにポリシーや節操なんてカケラもないですから韓国だろうが中国だろうがロシアだろうが「初上陸」大好きで反応して紹介しますからね。
そんなのにいちいち「韓国ゴリ押し」とか言っちゃうのはネトウヨばかりですよ。

韓国


www.youtube.com

そもそも今や海外では韓国発コンテンツが大ブームですからね。
BTSはもちろん、妹分のLE SSERAFIMも早速話題になってる。
「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー賞を受賞して有名になりましたが、元々韓国出身映画監督のハリウッド進出は随分前からあったんですよ。

韓国人監督のハリウッド進出が止まらない。『悪魔を見た』(11)のキム・ジウン監督が、シュワちゃん主演の最新作『ラストスタンド』(4月27日公開)でハリウッド進出を果たした他、『オールド・ボーイ』(04)のパク・チャヌク監督も、ニコール・キッドマン主演の新作『イノセント・ガーデン』(5月31日公開)でハリウッドデビューを飾っている
著名韓国人監督が次々にハリウッドへ進出する理由とは? | ニコニコニュース

2013年の記事ですが、こういう世界市場を見据えた韓国のコンテンツ戦略が何年もかけて広がり、その結実がパラサイトやBTSだったとも言えるし、これからも続いていく。
米国を中華資本&韓国ブームが浸透済。
ネトフリもヒットした韓国ドラマは山ほどあるのに日本発のコンテンツってアニメと。。。

一方、日本は嫌韓があって世界的ヒットになったpsyのカンナム・スタイルも華麗にスルー。
だから突然英語圏BTSがヒットしたり、パラサイトがアカデミー獲得して
「アイエエエエ!カンコク!? カンコクナンデ!?」
と驚いたわけでして。
いつの間にか欧米で
韓国=イケてる国
ってイメージ戦略が成功。
一方で国内で手一杯の日本はジャパニメーションなんて気取った文化コンテンツの輸出にも失敗。
政治家が露骨な不正をやってるのに検察もろくに仕事もしない国になってしまった。
大統領が辞めた途端、逮捕される国の方がよほど健全ですよ。

韓国ゴリ押しの正体

韓国ゴリ押しゴリ押しと言われるだけマシで、どこでもゴリ押しされない日本の悲しみ。
まとめると、

・韓国は流行り廃りが激しいので「日本初上陸」が多い
・流行り廃りが激しいので目立つために派手な(あざとい)グルメが多い
・若者&海外の韓国ブーム
・テレビは新しいものが好き

と、まぁ、テレビと親和性が高い韓国グルメがやたら紹介されるのはこういう理由で。
ほんとアニメにサムゲタンが出るだけで激昂する人ってのは、一体どういう世界線で生きてるんでしょうかね。
だったらチャイナ服が出てきても怒った方がいいですよ。
「中国文化を押し付けるつもりか!チャイナ服を着て出てくる合理性がないじゃないか!」
ってね(Whataboutism)。
みなさん嫌いでしょ、中国。

愛国と名乗るだけで実際は偏見まみれの排外主義って単に文化的に孤立していくだけで、先細りするしかないってのがよくわかるわけで。
この斜陽の国の現実から目を背け、独りで深く美しき日本の夢でも見てればいいんじゃないでしょうか。
こちらからは以上です。

*1:チュニジアの調味料

*2:ベトナムの調味料